金沢工業大学の取り組み

UNDPのプログラムで学生3人がアンバサダーに選出
SDGs推進活動通して社会変革リード
金沢工業大学(石川県野々市市)はこのほど、バイオ・化学部の学生3人が国連の中核的な開発機関である「国連開発計画」(UnitedNationsDevelopmentProgramme、UNDP)が主催する次世代リーダー育成プログラム「UNDPStudentAmbassadorProgramme」に選出された。
同プログラムはSDGs達成に向け、国内外で積極的に活動する若者を支援・育成するもの。今回選ばれた島田颯稀さん(同学部生命・応用バイオ学科4年)、AmandaRosarioJosephineGabriellaAnribaliさん(同学部同学科3年)、山本七菜さん(同学部環境・応用化学科3年)は、同大学の学生団体「SDGsGlobalYouthInnovators」に所属し、SDGsに関する取り組みを積極的に行ってきた。今後、UNDPと連携してSDGsの普及啓発、フィールド活動、政策提言、イベント運営、教育プログラム開発など多岐にわたる活動を行う。
UNDPは、SDGsの策定に大きな役割を果たし、世界におけるSDGs普及の推進力となっている。同プログラムは、UNDPが令和4(2022)年度に開始。全国の大学生・大学院生を対象にSDGs達成に向けたアクションを促すための研修・伴走・実践支援を提供している。
選出されたアンバサダーは▽SDGs・国際協力に関するUNDP公式研修への参加▽地域・大学・企業等と連携した企画運営(イベント、ワークショップ等)―といった活動を通して社会変革をリードする存在となることが期待されている。こうした取り組みは学生が自身の視点で社会課題に向き合い、「考えるだけでなく、動く」ことを重視している点が特徴となっている。
今年7月17日に国際連合大学(東京都渋谷区)で開催された同プログラムのキックオフイベントには、島田さんが出席し、AmandaRosarioJosephineGabriellaAnribaliさんと山本さんはオンラインで参加。世界の学生アンバサダー仲間の話を聞き、新しい仲間として自己紹介した。また、UNDP駐日代表のハジアリッチ秀子氏や、UNDP駐日副代表の齊藤順子氏などUNDPの職員から話を聴き、グローバル発展、若者のリーダーシップ、UNDPファミリーの一員であることの意味について、知見を共有した。
同大学は、第1回「ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞するなど、SDGs教育での先進的な取り組みが国内外から高く評価されている。
同大学SDGs推進センターでは、UNDPとの共同によるアントレプレナーシップ教育プログラムの日本の教員向け開発・展開などグローバルな教育連携を積極的に展開している。UNDPとは「Beyond SDGs人生ゲーム」(令和4年8月完成)の開発時から連携し、今年度は覚書を結び、日本のアントレプレナーシップ教育推進に取り組む。
今回、同センターとUNDPによる連携や、学生一人一人が主体的に行動してきた積み重ねの成果として、3人の学生がアンバサダーに選出されたことは、これまでの学びと経験を世界とつなげる貴重な機会であり、同大学が育成を目指すグローバルリーダーとして学生が国際舞台で活躍するための第一歩となる。
同大学では今後も、SDGs教育の推進、国際機関との連携、世界を舞台に活躍できる若者の育成を通じて、持続可能な社会の実現に向けた歩みを続けていく考え。
選出された学生たちは、UNDPによる各種研修を受け、地域・企業・行政・教育機関と連携したプロジェクトを設計・実施する。同大学では、学生主体のSDGs推進活動が既に多く展開されており、これらとの連携で、活動の裾野を広げることが期待されている。