環太平洋大学の取り組み

大橋学長が「アフリカ・デー2025」で基調講演
アフリカの教育者対象に奨学金プログラム創設
環太平洋大学(岡山県岡山市)の大橋節子学長は5月25日、大阪・関西万博の「ウーマンズ・パビリオン(WAスペース)」で開催された「アフリカ・デー2025」で基調講演を行った。
同イベントは、日本とアフリカの多様な文化が交差し、交流と理解を深める貴重な機会として位置付けられるもので、各国大使や国際機関の関係者、教育者、起業家らが参加し、「CelebrateWomen’sSkills(女性の力を讃えよう)」というテーマの下、文化的・教育的意義の高いプログラムが展開された。大橋学長は講演でアフリカの教育者を対象とした奨学金プログラムの創設を発表し、教育・文化・対話を通じた国際協力の未来を語った。
アフリカ・デーとは、1963(昭和38)年5月25日にアフリカ統一機構(OAU)が誕生したことにちなんだ記念日。「アフリカ・デー2025」の開催に当たっては、日本国際博覧会協会副会長を務めるウスビ・サコ氏および「CelebrateAfrica2025大阪・関西万博実行委員会」事務局長のサコ・サリフ氏(同大学経済経営学部現代経営学科講師)が中心となり、「CelebrateWomen’sSkills」をテーマに、アフリカにおける女性たちの社会・経済・文化面での貢献に焦点を当て、プログラムを実施した。
「アフリカ・デー2025」は大橋学長による基調講演がハイライトとなった。大橋学長は「学ぶことは生きること」というテーマで、同大学を運営する創志学園グループで実践している独自の教育アプローチを紹介した。特に、3~6歳の幼児期における非認知能力(共感力、自己抑制、協調性など)の育成が持続可能な社会を築く上で不可欠であると強調した。
講演の終盤では、アフリカと日本の教育交流を、さらに深化させる新たな取り組みとして「アフリカの幼児教育に携わる教育者2名を日本に招く特別奨学金プログラム」の創設を発表した。大橋学長は「これは学びを通じた友情と信頼の架け橋」と語り、会場は大きな拍手に包まれた。
マリ共和国元文化大臣のカディアトゥ・コナレ氏をモデレーターに迎えて開催されたパネルディスカッションには、元国連高官の池上三枝子氏、万博プロデューサーの中島さち子氏らが登壇し、女性と平和、教育の未来について活発に意見を交わした。
このほか、音楽パフォーマンスやファッションショー、UNESCOと映画監督・河瀬直美氏によるアフリカ女性映画監督のドキュメンタリー上映など、アフリカ文化を体感できる多彩なプログラムも行われ、その多様性と魅力に触れる貴重な機会となった。
同大学に在籍するアフリカ出身の留学生たちもイベントに参加し、各界のリーダーたちとの交流を通じて視野を広げ、未来への意欲を新たにしていた。