短期大学振興議員連盟が決議を文科大臣等に提出

地域に不可欠の専門職業人材輩出困難に

修学支援制度における機関要件の抜本的見直しなどを要望

短期大学振興議員連盟の中曽根弘文会長(参議院議員)と田野瀬太道事務局長(衆議院議員)が5月23日、文部科学省にあべ俊子大臣と武部新副大臣を訪ね、私立短期大学の振興に関する決議を手渡した。

同議連では我が国の地方創生の視点からも高等教育における私立短期大学を重要視し、その振興を推進する活動を行っているが、昨今の人口減少や社会構造の変化を受けて、現在約270校ある私立短期大学のうち令和7年度から学生募集を停止する短期大学は23校、令和8年度以降に学生募集を停止する短期大学を含めると約50校の短期大学が学生募集停止を表明するなど、地域を支えるエッセンシャル・ワーカー等(幼稚園教諭、保育士、栄養士、介護福祉士等)の人材を育成してきている数多くの私立短期大学が学生募集停止や規模縮小等の窮地に追い込まれ、地域にとって有為な専門職業人材の輩出が困難となっている。

そのため同議連では、私立短期大学等におけるエッセンシャル・ワーカー等の育成を強化する取り組みに対する新たな財政支援の強化や、修学支援制度における機関要件の抜本的な見直し・改善、短期大学が設置する専攻科修了者全ての大学院入学の途を開くための制度改正等を要望した。

私立短期大学の振興に関する決議

本議員連盟では、我が国の地方創生の視点からも高等教育における私立短期大学を重要視し、その振興を推進する活動を行っている。
私立短期大学は、中小都市も含め全国に幅広く存在し、卒業生の多くが、幼稚園教諭、保育士、栄養士、介護福祉士等の国家資格・免許を保有し、七割以上が短期大学の所在地域を支える専門的・技術的職業人材として従事しているばかりではなく、それらを通して女子の高等教育の普及にも大きく貢献している。
昨今の人口減少や社会構造の変化を受けて、現在約二百七十校ある私立短期大学のうち、令和七年度から学生募集を停止する短期大学は二十三校、令和八年度以降に学生募集を停止する短期大学を含めると約五十校の短期大学が学生募集停止を表明するなど、地域を支えるエッセンシャル・ワーカー等の人材を育成してきている数多くの私立短期大学が学生募集停止や規模縮小等の窮地に追い込まれ、地域社会にとって有為な専門職業人材の輩出が困難となってきている。
さまざまな分野や地方における人手不足が顕著な中、短期の高等教育機関として、地域に必要とされる人材を育成している私立短期大学が果たす役割は重要であるため、以下の事項について、実現を要望する。
一.全国の地域におけるエッセンシャル・ワーカー等の人材輩出を維持・継続するため、私立短期大学の基盤的経費に対する支援を拡充し、財政的な基盤を強化。特に、私立短期大学等におけるエッセンシャル・ワーカー等の育成を強化する取組に対する新たな財政支援の強化
二.法令で定められた認証評価機関により教育の内容等の適格認定を受けている短期大学に入学する学生が不利益を被ることがないよう地域における短期大学の重要性等を鑑みた、修学支援制度における機関要件の抜本的な見直し・改善
三.中央教育審議会答申(令和七年二月二十一日)において「短期大学制度の改善の検討を行う」ことが提言されたことを踏まえ、短期大学が設置する専攻科修了者全ての大学院入学の途を開くための制度改正
以上決議する。

令和七年五月十二日
短期大学振興議員連盟