共立女子大学・短期大学の取り組み

シンポジウムで「リーダーシップの共立®️」を発信

リーダーシップ教育の理解と関心を高める

「リーダーシップの共立」を掲げる共立女子大学・共立女子短期大学(東京都千代田区)は3月1日、共立講堂(同)で2024年度共立リーダーシップGP(グッドプラクティス)シンポジウム「誰もがリーダーシップを発揮する組織への一歩~『リーダーシップの共立』実現への歩みと挑戦~」を開催した。

同大学では、「みずからを恃(たの)み『自立』し、『友愛』により他者と協働して目標達成を目指す力」を「共立リーダーシップ」と定義。令和6年度にリーダーシップ教育を促進・支援するための全学プロジェクト「共立リーダーシップGP」をスタート。約200人が参加した今回のシンポジウムでは、GPの事例紹介を通じ「リーダーシップの共立」を発信した。

基調講演では、ソフトバンク㈱の人事企画で部長を務める杉原倫子氏が「企業が求めるリーダーシップと女性活躍のキャリア」というテーマで講演。自らのビジネス経験を基に「変化が激しく、価値観が多様化する時代に、自ら考えて行動するリーダーシップの体現が求められる」と指摘した。

早稲田大学常任理事の井上文人氏は「産業界からの視点も取り入れながら、高度なプログラムへと進化させ続けなければならない。共立のリーダーシップ教育に期待している」と話した。

令和6年度「共立リーダーシップGP」は32のプロジェクトが進行。事例紹介では(1)「商品開発コンテスト(StudentInnovationCollege)での商品開発活動」(ビジネス学部)(2)「館園実習における共立リーダーシップの実践」(教育学術推進課学術情報グループ)(3)「看護学部全教育課程を通じた共立リーダーシップ評価システムの構築」(看護学部)―の三つのプロジェクトの担当者が成果を報告した。

パネルディスカッションでは、共立女子大学・短期大学リーダーシップ教育センター長/同大学ビジネス学部准教授の岩城奈津氏が「経験学習サイクルという考え方では、経験を振り返ることで知恵になる。本学ではコミュニケーションスキルや論理的な思考などのナレッジを提供した上で、体験させ、振り返るというカリキュラムを組んでいる」と説明した。

杉原氏は「正解がない時代に企業は自分の考えを持ち、周囲に伝えられる人材を求めている。経験と内省、フィードバックを重視するリーダーシップ教育は、そのような人材を育てる」と意義を強調した。

国内のリーダーシップ教育の第一人者で、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター教授の日向野幹也氏は「リーダーシップ教育を必修科目として学部からスタートし、全学に展開した共立女子大学の取り組みは先進的。同様の試みを模索する他の大学をアシストしてほしい」と話した。

共立女子大学・短期大学の佐藤雄一学長は「今回開催したシンポジウムは学内外に共立リーダーシップの重要性を示し、本学の掲げるリーダーシップ教育の理解と関心を高める契機となった。今後もこの取り組みを通じて共立リーダーシップを社会に広めることで、さらなる教育発展につなげていくことを期待する」とコメントしている。

岩城氏は「『共立リーダーシップGP』で32もの取り組みが生まれたのは、教職員が関心を持ち、自ら進んで手を挙げた結果だ。本学では『女性の自立と自活』を建学の精神に掲げている。140年近い歴史の中で培ってきた『強み』が引き出されたとも言える。この取り組みを今後も推進していく」と述べている。