第4回地域大学振興に関する有識者会議

特別委員の意見、自治体の取り組み聴取

地域連携、コーディネーターの重要性を確認

文部科学省の地域大学振興に関する有識者会議(座長=大森昭生・共愛学園前橋国際大学・短期大学部学長)は10月22日、同省でオンラインも併用して第4回会合を開催した。

この日は初めに文科省から令和8年度概算要求等の説明が行われ、来年度概算要求では新規事業として、「都市と地方の連携を通じた国内留学等の促進」等を盛り込んだことや、大学設置基準等を改正して、地域の高等教育機関へのアクセス確保のための他大学との連携で文科大臣が認めた場合、特例規定が適用されること、第4回有識者会議で議論してほしい論点(地域連携推進プラットフォームの構築、大学間連携による地域アクセス確保の取り組みへの支援、都市部大学と地方の大学や地方公共団体間の連携促進、大学間連携推進法人制度の普及、発展的な活用〈地域研究教育連携推進機構〉の促進)の説明等が行われた。

その後、座長の求め(議題等)に応じて会議に参画する特別委員4人から意見を聴取、質疑応答や意見交換が行われた。

4人の特別委員は小林浩・リクルート進学総研所長、高市邦仁・三井住友フィナシャルグループ社会的価値創造推進部長、小原成朗・日本労働組合連合会総合政策推進局長、松村暢彦・愛媛大学社会共創学部長。このうち小林氏は令和8年度地域大学振興プラン(仮称)の策定に向けて、速やかに取り組むべき事項とされている、「地域構想推進プラットフォームの構築」に関して同プラットフォ―ムの役割としては、エッセンシャルワーカーの人材需要をシミュレーションすること、地域の強みを活かし、発展を支える基幹産業の想定と必要な人材要件の設定に期待したいと指摘。高市氏は同プラットフォームについてはコーディネーターであり、好事例の蓄積・展開だとし、大学との取引による金融の役割については従来の資金調達や資金運用、金融経済教育等から大学の変革を支える、大学と各ステークホルダーを繋ぐ、次世代を担う学生、研究者を応援する存在になるべきだとした。小原氏は令和8年度地域大学振興プラン(仮称)に対しては、地域の産業・企業実態を熟知した労使の地域構想推進プラットフォームへの参画、社会人・企業のニーズ、技術革新を見据えた人材育成などの検討・推進、高等学校との連携、理工系学部への女性の進学等に期待感を表明した。松村氏は地域の紙産業や水産業との連携の実践例を報告、プラットフォームは会議体ではなく実践共同体だと語った。その後、有識者会議の委員間で意見交換が行われ、大学関係者からは地域の基幹産業が明確ならばいいが、大学の学部改編には不安があること、産業の変化のスピードに大学は遅れざるを得ないことなど不安を語ったが、別の委員からは「大きなトレンドはあるので、2、3の重点ポイントに絞るといい」「日本全体として国のビジョンも参考にできる」といった意見が聞かれた。文科省からは新規要求している地域構想推進プラットフォーム構築推進事業にはコーディネーターがいることを予算面でも想定していることなどを説明。また大学が地域や企業から相談を受けた場合、うまく大学内の適任者につなげられる人材が必要なことや、大学の相談窓口の明確化を求める意見も聞かれた。

その後、福井県総務部大学私学課から「未来協働プラットフォームふくい」の取り組みを、大分大学のおおいた地域連携プラットフォーム事業推進本部から研究機能を活用した地域課題解決、生涯学習支援事業、県内進学・就職定着率向上の取り組みが報告され、大分県総務部学事・私学振興課による大学連携の取り組みが、さらに山梨中央銀行から山梨大学の研究推進・社会連携機構に出向しているコーディネーターの活動状況、その意義などが報告された。

関連して有識者会議の縣修委員(静岡県企画部参事)が静岡県の産学官連携推進会議を設置、10月10日に第1回を開いたことなどを報告したが、産学官のどこがコンソーシアムの機能を強化した「地域構想推進プラットフォーム」を進めていくべきか、といった質問を行った。最後に大森座長はコーディネーターについての議論が広がったこと、コーディネーターが一人では連携をスムーズに進めていくには難しいことも分かったことなどを明らかにした。

このほか国立大学法人等の機能強化に向けた検討状況が報告された。