神戸女学院の取り組み

岡田山キャンパスが「自然共生サイト」に認定
環境保全を強化し次世代へ豊かな自然継承
10月12日に創立150周年を迎えた神戸女学院の岡田山キャンパス(兵庫県西宮市)はこのほど、「神戸女学院 愛神愛隣の森」として、環境省の「自然共生サイト」に認定された。大学などを運営する学校法人神戸女学院では「愛神愛隣」を永久標語として、豊かな自然環境と調和した空間で長年にわたって教育活動を展開しており、都市部にありながらも希少な動植物が生息する貴重な緑地として高く評価されたことから、今回の認定に至った。
「自然共生サイト」とは、生物多様性の保全に資する地域を国が認定する制度で、令和4(2022)年12月に採択された世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を踏まえた国の保全目標「30by30」の達成に向けた重要な取り組みの一環となっている。
神戸女学院は、2人の女性宣教師により西日本最初の女性教育機関として明治8(1875)年に創立され、昭和8(1933)年に神戸市から現在の西宮市岡田山にキャンパスを移転した。岡田山キャンパスは、著名な建築家であるウィリアム・メレル・ヴォーリズによってデザインされたもので、キャンパスの自然環境は90年以上にわたって保全・利用に関する活動が続けられている。
キャンパス移転時、岡田山キャンパスの周辺は田畑が広がっていたものの、現在では都市化が進み、住宅やマンションが建ち並ぶ市街地となった。そうした中でもキャンパス内には今なお広大な森が残されており、西宮市南部の貴重な自然緑地となっている。
昭和42(1967)年には最初の植物目録(神戸女学院高等学部理科研究部1967)が発刊され、その後も継続的に動植物調査を実施。令和元(2019)年時点で約600種の植物種、130種の脊椎動物(淡水魚類3種、両生類4種、爬虫類7種、鳥類103種、哺乳類13種)や、302種の昆虫類(チョウ類39種、ガ類240種、トンボ類23種)が確認されている。
岡田山の敷地は、キャンパスとしての機能を果たすだけでなく、教育・研究・地域連携の場としても活用されてきた。教育・研究では、神戸女学院中学部・高等学部の生徒や神戸女学院大学の学生の学びの場として、自然観察やフィールドワークを通じて自然環境への理解を深める機会を提供している。特に大学では、教員と学生による学術研究の場として活用され、学術論文も出版されている。
また、地域連携事業として近隣の幼稚園や小学校との連携による環境教育プログラムも展開されており、岡田山キャンパスは「学びと共生」の環境として機能している。
今回、岡田山キャンパスが「自然共生サイト」として認定されたことは、神戸女学院がこれまで培ってきた「愛神愛隣」という理念が広く社会に認められた証であり、今回の認定を契機に、神戸女学院では、環境保全への取り組みを強化し、次の世代へと豊かな自然を継承していく責任を果たすことを目指す。
さらに、「自然共生サイト」としての岡田山キャンパスの魅力を広く発信するとともに、学内外の研究者や地域住民との連携を深め、持続可能な社会の実現に向けた教育・研究活動を推進していく。創立150周年という節目に、改めて「自然と人との調和」を大切にし、神戸女学院の新たな歩みを刻んでいく。

