中教審第12回デジタル教科書推進WG開催

「審議まとめ案」を承認
情報活用能力では教科間で温度差出ないようにとの意見も
文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会は9月24日に第12回デジタル教科書推進ワーキンググループ(主査=堀田龍也・東京学芸大学教職大学院教授)を文科省内で開催した。前回の会議で示された審議まとめ素案に、委員から出された意見を加えて修正した「審議まとめ案」が同省から提示された。
大きく修正されたのは、動画の検定に関する箇所で、動画は静止画や言葉では理解が難しい学習内容を理解するのに効果的ではあるが、副教材との役割分担、限られた期間で検定を行わなければならないこと、動画制作をめぐる教科書配給会社間の過当な競争、制作コストの上昇などを考えると検定の対象とすべきではないという意見があったことを踏まえ、教科書として真に必要なものを、一定の枠組みの中で教科書のデジタル部分として認めるのが適当、としている。また、教育課程企画特別部会で作成した論点整理案の説明もあり、学習指導要領改訂に向けて、(1)主体的対話的で深い学びの実装、(2)多様性の包摂、(3)実現可能性の確保の3つの方向性が示されたことや、柔軟な教育課程の編成のための「調整授業時数制度」の創設、情報活用能力の抜本的向上を図るために小学校の総合的な学習の時間に情報の領域を付加し、中学校で情報技術に関連する内容を強化するために「情報・技術科(仮称)」を新設することなどが報告された。
最後に、「審議まとめ案」や「論点整理案」に対して委員から感想等が述べられた。新教育課程の「論点整理案」とデジタル教科書、情報活用能力の関係に関しては、「情報・技術系の教科以外でも情報活用能力を養う必要がある。教科間で温度差が出ないようにしたい」、また「情報・技術科の新設により、先生の確保が心配になる」や、「教科書は学習指導要領を網羅し、標準時数を基に制作されているが、調整授業時数制度で標準時数を下回ることが可能になったら、教科書の内容はどうしたらよいのか、今後検討が必要になる」などの意見が出された。
さらに「AIが社会インフラになって、授業をデザインする力をいかに教師が身につけるかが重要になる。学校に集い、学ぶ意味の再整理が求められている」と教師に求められる力の変化に着目した発言も聞かれた。
最後に堀田主査が「紙かデジタル二項対立のみが報道され、ワーキンググループでの審議内容が正しく社会に伝わっていないので、正確に発信していきたい」と述べた。
審議まとめ案は、委員の承認が得られ、「審議まとめ」として公表されることになった(※10月6日付で同省のホームぺージで公表済み)。同ワーキンググループは今回をもって終了となった。


