私立大学の在り方検討会議が中間まとめ

地域人材育成担う地方大学を重点支援

日本の競争力を高める教育研究大学重点支援

経営改革強化、連携、縮小、撤退等を推進

文部科学省の「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」(座長=小路明善・アサヒグループホールディングス株式会社会長)は8月29日、過去4回の検討会議での意見等を中心に作成した「中間まとめ」を公表した。

8月末までの令和8年度概算要求に間に合うタイミングでまとめたもので、7月28日の第4回検討会議では、中間まとめ案について、同会議委員から様々な意見が出されたが(本紙8月3日号1面参照)、最終的には中間まとめとすることが了承され、委員の意見を考慮した修文については小路座長に一任されていた。

中間まとめの概要は本紙3面に掲載の通りで、第4回会議段階の案文と比べ、提言内容にほとんど違いはないが、中間まとめ前段の「私立大学の役割の変遷」の記述では、案文の段階での「大正7年の大学令制定まで国の制度としての大学は官立の帝国大学に限られていた」や「幕末から明治初期にかけて全国的に私塾が成長し近代高等教育の素地が形成された」等に、新たに「私塾といっても、私的なものではなく公共性を持ったものとして高等教育を支えてきたと考えられることや、関係者は大学昇格への強い意識を早期から持っていたことについては留意が必要である」が追記され、また案文の段階であった、「私立大学が国立大学を実態上補完する状況にあった」との記述が中間まとめではなくなり、「私立大学は建学の精神に基づき自主性と公共性のバランスを図りながら、多様なニーズを持った学生に対して高等教育のアクセスを確保するなど高等教育の量的拡大に大きく貢献しつつ、多様な分野で活躍する人材の輩出や特色ある研究を通じ、産業や地域の発展に貢献してきた」などの記述に改められている。

また中間まとめの最終の「更なる検討を要する事項」では、文理横断・文理融合教育の推進に向けた柔軟な学位プログラム等の推進や、学修者本位の教育の更なる推進に向けた手厚い教育指導体制の構築、入学者選抜の在り方等に加えて、新たに複数専攻制(ダブルメジャー)の導入と、教育の質の向上と効率的な運営を両立した教育の在り方等について今後、さらに検討を深めることとする、と記述が加えられた。

文科省では同検討会議中間まとめを踏まえ、令和8年度概算要求の中で、わが国の国際競争力の源泉となる多様で卓越した「知」の総和向上に向けて、研究力の高い私立大学等が、国際的にも研究力で競い合える拠点となり、私学全体の教育研究力の向上や研究成果の社会実装の加速化を推進する機能も果たせるよう、教育研究環境の整備を推進することが必要として、新たに「イノベーション創出に向けた私立大学等の教育研究環境整備支援」事業(要求額51億円)を要求している。選定校数は少ないが、経常費補助と施設・設備費で一体的支援を行う仕組み。

このほか集中改革期間(令和6~10年度を通じて「チャレンジ」「連携・統合」「縮小・撤退」の3つの方向性に向け、少子化時代を支える新たな私立大学等の経営改革支援(要求額27億円)や私学経営DXを通じた「アウトリーチ型支援」(同2億円)、私立大学等改革総合支援事業(103億円)等の拡充等を要望しており、レジリエントな私立大学等への転換支援を充実していく方針。