文部科学省 令和8年度概算要求

高等教育関係新規事業要求

地域構想推進プラットフォーム構築等推進事業に15億円

都市と地方の連携を通じた国内留学等促進10億円を要求

文部科学省は8月29日に令和8年度概算要求を公表した。本紙前号で私学助成関係要求額等の概要を報告した。今号では高等教育関係の主な新規要求事業を報告する。

▽「地域構想推進プラットフォーム構築等推進事業」要求額15億円。

急速な少子化が進行する中、地域の高等教育機関では学生募集停止が相次ぐなど、困難な状況に直面しているため、地域にとって真に必要かつ魅力ある高等教育機関へのアクセスを確保するため、各地域の大学間・産学官金等間の連携推進方策を講じる必要があるため、令和8年度から10年度までの3年間をかけて、各地域の施策展開に資するプラットフォームのモデル構築を行うもので、件数は10件、1件当たり1・5億円程度の予算を見込んでいる。

そうしたプラットフォームでは、例えば、地域の人材需要や産業構造のニーズ等や、高校教育改革と連動した教育組織・カリキュラムの変革、高校段階から地域の高等教育機関への接続強化や、自治体等による就職支援等を通じた地域への人材定着、地元企業や金融機関、大学のリソース等を結集し、地域の強みを生かした新産業の創出等といった取り組みが期待されており、採択事業の参画機関(高等教育機関、地方公共団体等)と文科省など関係省庁との定期的対話の機関を設け、モデル構築に向けた強力な伴走支援が実施される。

▽「都市と地方の連携を通じた国内留学等の促進」要求額10億円。地方から大都市圏への進学者・就職者の流入傾向が依然として続き、都市と地方間で様々な格差や課題が生じていることから、地方と都市部の間で人材交流や循環を促進し、地方における関係人口の増加を図るのが目的。都市部の高等教育機関で地方が抱える社会問題や課題に対する理解を深め、地方での実習等を通じて課題解決に取り組む教育プログラムを構築。都市部の高等教育機関と地域の関係者が相互にリソースやフィールドを提供し、持続的な人材の交流・循環に向けた緊密な連携・協力体制を構築する。教育プログラムの実施を通じて都市から地方への人の流れや結びつきを創出し、地方における関係人口の増加を図る。支援対象は国公私立の大学・短期大学・高等専門学校で、事業期間は令和8年度から3年間で、採択件数は10件、1件当たりの予算単価は1億円程度。

▽「大学等を核とした地方創生事例の普及・展開」要求額0・5億円。各地域において実施されている高等教育機関と地方公共団体・産業界との連携事例の普及・展開、高等教育機関に進学する高校生等に対する地方大学の魅力発信のためのイベント開催、地域における連携推進を担うコーディネーター間のノウハウや情報共有のためのセミナー等を行う。具体的には文科省が民間団体等に運営業務を委託する。委託先は公募・選定する。

▽「地域アクセス確保にむけた高等教育機関の在り方等に関する実証研究」要求額0・3億円。地域アクセスの確保や地方創生に関する重点課題について、高等教育機関や民間企業の知見を活用し、課題解決に向けた方策等の調査・実証研究を実施する。想定されるテーマ例は、地方創生を担う大学教員の評価の在り方に係る調査研究等で、1件当たりの予算は1千万円を想定している。

▽「数理・データサイエンス・AIを活用した文理横断・融合教育強化事業」要求額5億円。

数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(認定数は今年8月時点で958件、1学年当たりの受講可能学生数は約80万人)により、大学においてデータやAI活用の素養を身につける環境は整ってきたが、プログラムの履修率・修了率の向上、急速な技術革新や社会の変容に適切に対応できる人材を輩出するための教育の質的向上が課題のため、文系学部を含めた各教育カリキュラムに、こうしたプログラムを卒業要件上必須と位置付ける教育改革を進める大学に必要な環境整備を実施。また他大学でも導入可能な教育モデル等を作成し、横展開を図る。事業実施期間は令和8年度から5年間。5拠点を採択、予算単価は0・8~1億円程度。