福井工業大学の取り組み

イベントで子供たちの宇宙への理解深める

宇宙科学・産業に貢献する人材育成拠点へ

福井工業大学(福井県福井市)は令和6年11月2日、あわらキャンパス(福井県あわら市)で「あわら宇宙フェス」を開催した。当日は、宇宙に興味関心のある小中学生や、その家族など450人が参加した。また、キャンパス内に設置されているアンテナ地上局(4基のパラボラアンテナと運用室)の愛称発表と授賞式が行われた。

メイン会場では、特別講演として彗星の専門家である国立天文台上席教授の渡部潤一氏が「見上げてみよう 今宵の星空」という題目で、最新のトピックを交えた星空の魅力を伝え、参加した子供たちは真剣に耳を傾けていた。

引き続き実施されたイベント「宇宙おねえさんとこてつくんの宇宙旅行」では、宇宙キャスターの榎本麗美さんと、NHKの人気アニメ「宇宙なんちゃらこてつくん」のこてつくんと一緒に、宇宙旅行の疑似体験を行った。

他の会場では、「バスボムでフィルムロケットを発射しよう!」「月面探査ローバーを走らせよう」「めがねで望遠鏡を作ろう」、吉本興業㈱のお笑いコンビ「蓮華」による体験型の「バルーンアート」など、計10種類の体験ブースが設けられ、子供たちが大学教授や大学生と一緒に工作などを楽しみ、宇宙への理解を深めた。

キャンパス内に設置されているアンテナ地上局の愛称については、令和6年8月26日から9月30日まで、同大学が全国の小学生を対象に募集し、86点の応募の中から学内選考委員会で3点に絞り、大学関係者の投票によって、福井県坂井市在住の小学6年生が考案した「SOWARA」に決定した。

愛称発表と授賞式では、考案者に賞状と3万円分のオリジナルQUOカードが贈られた。考案者は「とてもうれしい。あわら市の青い海、青い空、緑の大地をイメージして考えた。このあわらキャンパスが多くの人が訪れる場所になってほしい」と感想を述べた。

学内選考委員会で選ばれた他の2点の考案者には特別賞として、それぞれ賞状とオリジナルQUOカード3千円分が手渡された。

同大学は令和6年6月、あわらキャンパスに北陸では最大、大学・民間としては国内最大級となる口径13・5メートルのパラボラアンテナを設置し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2025年度に打ち上げる深宇宙探査技術実証機「DESTINY+(デスティニー・プラス)」の衛星地上局として運用を開始するなど、世界の宇宙科学と、宇宙産業に貢献する人材育成の拠点となることを目指している。