2025年度大学基準協会総会+(plus)開催

今年度の事業計画・予算決定

質保証の事例報告、パネル討議も

公益財団法人大学基準協会(髙橋裕子会長=津田塾大学長)は10月28日、東京・千代田区の九段会館テラスで2025年度総会+(plus)を開催した。この日は会員大学を中心に約120人が出席、初めに議案の2024年度事業報告及び2025年度の事業計画、2024年度の収支決算及び2025年度収支予算が事務局から説明され、原案通り承認された。

同協会は2025年度が第4期大学評価の1年目ということもあり評価件数が減少、2024年度に続いての支出超過となる見通し。特定資産や遊休財産で十分対応可能としているものの、会員の退会による会費収入や評価件数の減少、近年の物価高騰、優秀な人材確保・維持のための経費増もあり、調査研究や国際化といった評価事業以外の事業への影響を懸念している。現在、文部科学省は認証評価制度の在り方の見直しの議論を中教審で行っていることもあり、先行きが見通せない状況だが、同協会では設立の理念に立ち返り、大学人による大学人のための運営を真摯に続けること、同協会の評価を受けることや会員であることの意義をさらに強力にアピールしていく方針だ。

議案の説明・審議に続いては、「質保証の実践知シリーズDialogue on Quality―質保証を語る対話の場」と題して、4大学から事例報告が行われた。高知工科大学からは内部質保証を機能させるための工夫として教職協働センターや教員評価システム・授業評価アンケートが紹介された他、教育の充実につながった実例として英語カリキュラムの全面改訂、成績評価の厳格化(取扱要領改訂→甘い授業のチェックとフィードバック)、学士修士一貫教育による進学率向上等が報告された。

上智大学からは質保証体制と認証評価後の取り組みによる教育の充実について報告、第3期認証評価後、3つのポリシーの全学的な見直しを行い、2027年度からの新カリキュラムの検討、IRデータを活用した「10指標」による全学的な学修成果の把握を進めており、今後、単なる見える化ではなく、学生の自律的学修を促す「羅針盤」としていくことや、学生からの意見収集の重要性などが報告された。

同志社大学からは自己点検・内部質保証の仕組みや実施の際にどんな苦労があり、どのように対処しているかが紹介された。その中で内部質保証を機能させるための工夫としては、各学部・研究科に設置している「自己点検・評価委員会」がワークシート形式で評価項目を確認、それを各学部・研究科に設置している「質保証委員会」が改善・向上につなげていること、その他多岐にわたる改善ルート等が報告された。大分県立芸術文化短期大学は地方公立短大の質保証の実践と課題について報告した。

その後、事例報告を行った4校の発表者(副学長等)に同協会の矢口悦子・常務理事(東洋大学長)と廣瀬克哉・大学評価委員会副委員長)の2人がコーディネーターとして加わりパネルディスカッションが行われた。

その中では認証評価結果に段階を設けることへの懸念や、学部・研究科ごとに評価することに関しては、学内には複数の学位プログラムがあり、副専攻もだんだんと進められている中で、評価には非常に多くの人が必要になるとの指摘も聞かれた。また「評価員を務めて非常に勉強になった」「職員も勉強になり、教職協働の体制につながる」との意見が聞かれた。