日私中高連 日私学保連 私学振興全国大会を開催

私学関係者、保護者約1700人参集

「高校無償化」実現など要請

日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長=富士見丘中学高等学校理事長・校長)と日本私立中学校高等学校保護者会連合会(鹿濱濱雄会長)が主催する令和7年度私立中学高等学校「私学振興全国大会」が11月5日、東京・文京区の文京シビックホール「大ホール」に全国から私立中学高等学校の理事長・校長・教員、保護者等約1700人が参集し開催された。この大会は、年末に来年度私学関係政府予算案が決まる前に、文部科学省の政務三役や自由民主党の文教関係議員等に私立中学高等学校関係予算の拡充等を要請するため毎年開催している大会。今年は、午前に参議院で、午後には衆議院で本会議が開催されたため、議員の出席が難しく、議員本人が出席できたのは6人で、25人の議員は秘書による代理出席となった。

今年の大会は、中高連の梅村光久副会長(三重高等学校理事長)の開会の辞で始まり、主催者を代表して吉田会長が挨拶に立ち、「私立学校を運営している費用の3割強は経常費助成費補助という国・都道府県の補助金で、残りが保護者からの授業料などの学納金である。その補助制度は50年前に自民党の若手議員が中心となり、議員立法で成立させた私立学校振興助成法という法律によってできたもので、その恩は決して忘れていない。また10月29日には自民党、公明党、日本維新の会の3党が令和8年度以降の、いわゆる「高校無償化」の実施が合意された。私立全日制については就学支援金の支給上限額を所得制限なく45万7千円にまで引き上げることになった。ただ恒久的な財源は決まっていない。これからは自民党の先生方のご尽力に掛っている。21世紀、22世紀を担ってくれる子供たちの教育のために国にしっかりとお金をかけて、保護者、子供たちが行きたい学校を選べる社会を作っていこうという議員の先生方のお気持ちをありがたく受け止め、先生方を応援し、皆にとって良い社会にしていきたい。私立学校は将来の子供達のために教育に力を入れて頑張っていく」などと語った。また日私学保連の鹿濱会長は、物価等の高騰が続く中で、質の高い教育環境を維持するため私立学校の財政負担は年々大きくなっていることなどを指摘した上で、令和8年度私学関係政府予算案編成に当たっては、経常費助成費補助金の拡充と、いわゆる「高校無償化」の実現に国会議員の先生方の絶大な支援を要請した。

続いて行われた来賓挨拶では、文部科学省を代表して清水真人・大臣政務官(参議院議員)が祝辞を述べ、「私立学校はこれまでも目まぐるしく変化する、学校を取り巻く環境に逸早く対処し、建学の精神の下、先駆的かつ多様な教育を展開されてこられた。私立学校の役割は我が国の学校教育の発展に極めて重要で、文部科学省としては教育条件の維持向上、児童生徒の就学上の経済的負担の軽減、私立学校の経営の健全性を高めるために令和8年度の予算編成に向け私学助成の充実、税制上の優遇措置などに全力で取り組んでいる。いわゆる「高校無償化」については、先般の政党間の合意を踏まえ来年4月からの実施に向け必要な取り組みを進めていく」などと語った。

また、自民党を代表しては萩生田光一・幹事長代行(元文部科学大臣、衆議院議員)が祝辞を述べ、令和8年度の私学助成関係概算要求の予算がしっかり措置されること、現在策定が進んでいる経済対策に関しては、私立学校の熱中症対策のための空調の整備、耐震対策にしっかり取り組む考えを強調。いわゆる「高校無償化」については、「高校へ願書を出す時点で見通しがつかないというのでは子ども達が不安になるので、我々は4月以降の実施に向け全力で環境整備をしていき、安心して私立学校を選んでいただいたらよろしいかと思う」と語った。

その後、有村治子・自民党総務会長(初代女性活躍担当大臣、参議院議員)が祝辞を述べ、先の参議院議員選挙以降、自民党が野党に転落するのではとの危機の中で初めての女性の党総裁、総理が誕生、また「高校無償化」を巡る3党間の折衝の最前線で取り組んでいた松本洋平議員が文部科学大臣に就任したことなど、激動の時期を振り返りつつ令和8年度概算要求では近年にない大幅な私学助成増を要求していること、策定を進めている経済対策に関しては私立学校の耐震対策、空調設備整備に取り組んでいく方針で、その後押しをしていく考えを強調した。

その後、出席の叶わなかった松本洋平・文部科学大臣のメッセージが長塚篤夫・中高連常任理事によって紹介された。この中で松本大臣は、私立学校では建学の精神の下、多様で特色ある教育活動が行われており、変化の激しい時代の中で私立学校がその役割を一層発揮し日本の未来を担う子供たちの育成を図って頂くことを大いに期待していること、いわゆる「高校無償化」に関しては、先般の政党間の合意を踏まえて来年4月からの実施に向け必要な取り組みを進める考えを表明した。

続いて山谷えり子・元国務大臣(参議院議員)が祝辞を述べ、私学は学校と保護者が一体となって教育の力を高めようとしていることが大きな特徴で、その熱意が子供たちに伝わり生きる力の根っこになっていると語り、私学振興に全力で取り組む考えを力説した。

上野通子・自民党副幹事長(元文部科学副大臣、参議院議員)は少子化が進む中で、私立学校は厳しい経営環境に苦しんでいることや、私学は子供たちの個性を生かし、楽しく笑顔で学び、社会に出て役に立つ生徒を育てていくことが重要なことなどを強調。そうしたことの実現に向け教師や保護者、学校経営者が一体となり頑張っていこうと参加者に呼びかけた。

続いて近藤彰郎・中高連副会長が「要請」を行い、現在、東京都では高い就学支援金を頂いているが、隣接する千葉、埼玉、神奈川県とは大きな差が生じていることから、全国の私立の保護者負担が軽減されなければ私立は発展しないという思いで、中高連の吉田会長は全国のために汗をかいているとして、大会に出席の保護者に対して、「公私関係なく良い教育かどうか、自分の子供に合っているかしっかり判定してほしい。選択権は皆さんにある」と語り、また公立、私立が共に発展していく重要性を力説し、日本の教育を守るために努力していく考えを強調した。

その後、東京都私立中学高等学校父母の会中央連合会の保護者が登壇し、同じ学校に通っていても居住地によって受けられる授業料支援額に差があり、大きな不公平感を生んでいること、いわゆる高校無償化によりそうした格差が是正されることなどを求めた「保護者の願い」を読み上げ、要望事項の実現を願って、山谷議員に「保護者の願い」を手渡した。

続いて日私学保連の関口健一副会長から大会の決議案が読み上げられ、大会出席者に諮られた結果、全会一致で今大会の「決議」として、以下の事項について、その実現を自民党や政府に求めていくことを決めた。

実現を目指すのは、▽私立中学高等学校の質の高い教育の維持・向上のため、経常費助成費等補助の大幅な拡充、▽私立中学高等学校の教育環境の整備・充実のため、ICT環境の整備、施設の耐震化・高機能化に係る補助の大幅な拡充、▽子供たちの自由な学校選択の保障と、私立中学高等学校の保護者の教育費負担軽減のため、いわゆる「高校無償化」の実現。

大会決議はその実現を願って議員を代表して上野議員に関口副会長から手渡された。

続いて兵庫県出身の末松信介・元文部科学大臣(参議院議員)が駆けつけ、災害が多発する中で安全に学ぶことなどの重要性を力説する挨拶を行った。そのほか代理出席の議員名が紹介され、最後に中高連の中村道郎副会長(愛光中学高校校長)が閉会の辞で大会を締め括った。

大会に秘書が代理出席した議員は次の各氏(役職等、敬称略)。

(衆議院議員)麻生太郎、安藤高夫、石破茂、石原宏高、井上信治、遠藤利明、勝目康、金子恭之、岸信千世、岸田文雄、木原誠二、木原稔、柴山昌彦、鈴木英敬、田野瀬太道、永岡桂子、丹羽秀樹、船田元、松本剛明、赤澤亮正 (参議院議員)朝日健太郎、生稲晃子、石井浩郎、今井絵理子、藤井一博。