第1回高等学校教育の振興に関する懇談会

高校無償化等を見据えて
高校教育の充実方策など検討
文部科学省の高等学校教育の振興に関する懇談会(座長=荒瀬克己・独立行政法人教職員支援機構理事長)の初会合が10月27日、WEB会議方式で開かれた。
同懇談会は、令和8年度からの、いわゆる高校無償化等の実施や政府の骨太の方針2025等を見据えて、高等学校教育の充実振興施策を検討するための、有識者13人からなる会議体で、これまで同省で高等学校教育の在り方や通信制高等学校問題の審議に携わってきた専門家等が数多く参加している。懇談会は来年3月末日までの開催。日本私立中学高等学校連合会からは常任理事を務める長塚篤夫・順天中学校・高等学校長が加わっている。
初めに文科省から荒瀬氏を座長に、塩瀬隆之・京都大学総合博物館研究部情報発信系准教授と田村知子・大阪教育大学連合教職実践研究科教授を座長代理にする人事案が提案され、了承された。
続いて初等中等教育局の橋田裕参事官(高等学校担当)から、懇談会では主に、(1)高等学校教育の充実、(2)広域通信制高等学校における教育の質の確保や管理運営の適正化を徹底するための課題の整理、(3)中学高等学校の円滑な接続に資する高等学校入学者選抜の在り方を検討していくことが説明された。
このうち(1)の高等学校教育の充実に関しては、▽高等学校教育の多様化が進む中で高等学校教育の充実をどのように進めていくことが必要か、▽卒業後の進路等を見据えて身に付けた力、学びの定着度合いや在学中の伸び、生徒の満足感・達成度(定性的・定量的)の望ましい測り方について、どのように考えるか、▽文系・理系のコース分けにより、特定の教科・科目を十分に学習しないことについて、その改善を図るためにどのような取り組みが考えられるかなどを検討する。また(2)の広域通信制問題については、今年6月11日の3党合意に基づくいわゆる高校無償化に関する論点の大枠整理でも、過大な収容定員を設定したり、教育内容に課題が見られたりする広域通信制高校の管理・運営の適正化や教育の質の確保・向上を図るため、定時制教育及び通信教育振興法の改正も視野に、情報公開の徹底や点検調査の強化、運営主体の学校法人化支援など実効性ある対応の必要性が指摘されていた。そのため懇談会では、▽不適切な教育活動が見られる中での是正策、▽サテライト施設の管理運営に当たっての所轄庁間の情報共有・連携協力策等の検討、▽情報公開の徹底や点検調査の強化策等を検討する。(3)の高等学校入学者選抜の在り方に関しては、▽高等学校の特色化・魅力化の促進が期待される中、スクール・ミッション、スクール・ポリシーを踏まえた多様な選抜方法についてどのような方法、留意事項が考えられるか、▽学力検査を行わない選抜や調査書を持ちない選抜の取り扱い等を検討することにしている。こうした懇談会設置の背景や検討事項の説明に対して、委員からは様々な意見が出された。
委員からは、「スクールミッションやスクールポリシーの策定が求められる中で評価基準となるグランドルーブリックがないと、ミッションは単なるスローガンになってしまう。公私ともグランドルーブリックが必要だ」といった意見、また高校無償化でも焦点となっている専門高校の振興に関しては、「抜本的な機能強化・高度化が必要で、設備の充実、産業からの人材派遣が重要」といった意見が聞かれた。通信制高校に関しては、「生徒数が把握できない学校もある。厳格さ、境域への転換が必要だ」「ポータルサイトを国が開設予定と聞いている。情報に関しては古い情報が放置されていないか、情報の更新時期についても書き込むようにしてほしい」「教育課程特例のメディア減免の見直しが必要だ」「第三者による評価機関を設ける必要がある」「学びに対する向き不向きも分からず広域制に飛び込んでいる」といった意見が出された。
さらに高等学校の入学者選抜に関しては、「学力検査、調査書とともに、受験生が自分のことをプレゼンすることがあっていい」「入学後にどんな学びがあるのかが分かるような入試が学校ごとにあっていい。公立高校も私立高校のようにそれぞれの学校が独自の入学者選抜をしていい」といった意見が聞かれた。


