敬愛大学の取り組み

教育学部の学生らが宮城県の震災遺構訪問
子供の命預かる重み実感し考え深める
平成23年9月以降、宮城県での震災ボランティア活動・現地踏査の取り組みを毎年(令和3年を除く)実施してきた敬愛大学(千葉県千葉市)はこのほど、教育学部の学生らが「こども学Ⅱ」の授業の一環として宮城県石巻市と女川町の震災遺構を訪問した。
同学部では、今年度の「こども学Ⅱ」の授業で学生たちが学ぶテーマの一つとして「防災教育」を挙げている。その学びを深めることを目的に、学生らは授業を担当する小林輝明教授(理科教育)の引率の下、東日本大震災で甚大な被害を受けた大川小学校や大川震災伝承館、門脇小学校、旧女川交番などを巡り、被災当時の状況を現地で体感した。
津波で児童と教職員、合わせて84人が犠牲になった大川小学校で、学生らは実際に学校から海まで行き、海や北上川との距離、堤防と低地が続く周りの地形と背後の山を確かめ、当時、子供たちが待機していた校庭で、当日の天気や状況、子供たちの様子などを考えた。
その後、児童の避難経路をたどり、また、裏山へ上るルートを歩くことで、学生らは自分が教師としてその場にいたら「山へ逃げよう」と訴える子供の前でどのような行動をとれたか、助かる命を守れたか、ということに自分事として向き合うことができた。
門脇小学校では、逃げる手段を即座に判断したことが多くの命を救ったため、学生らは資料などを通して、避難訓練の大切さを再認識した。
津波で鉄筋コンクリート造の交番が横倒しになった旧女川交番にも出向き、津波の力のすさまじさを実感した。
小林教授は「この授業では、事実に基づき科学的に判断することがいかに重要かを伝えている。学校教育で求められている判断力や表現力、思考力を教師自身が持っていなければ、子供たちに身に付けさせることはできない」とコメント。「教員になる学生には子供の命を預かる重みを分かってほしい。これは机上では学べないため、全ての学生が大川小学校の校庭に立ち、“そのとき”を自分事として実感し、考えを深めてほしい。今回参加した学生たちは危機管理意識をより高めて帰途についたことは間違いない」としている。
参加した学生からは「津波が来るという確実な情報から、どのように児童を守っていくのか、避難訓練の段階から疑問を持ちながら取り組んでいくことが重要だと感じた」「あの日、ここで何が起きたのかを思うと、胸が締めつけられた。私自身が教師になったら、今回の経験を忘れず、命の大切さや備えの重要性を子供たちに伝えていきたい」「避難訓練では避難経路や対応の仕方を児童や他の教員と日ごろから確認し、いざという時にパニックにならずに行動できるように備えていきたい。学生である今のうちから今後の防災意識を変えたい」といった感想が寄せられた。

