多摩美術大学の取り組み

記念展など創立90周年記念事業を展開
芸術・デザイン教育の在り方模索し歩み進める
令和7(2025)年に創立90周年を迎える学校法人多摩美術大学(東京都世田谷区)は、この節目を記念し、次なる100周年に向けた序章として、コンセプト「TAMABI BEYOND」の下、創立90周年記念事業を順次展開している。同事業では、これまで同大学が行ってきた教育の成果を振り返りつつ、未来の芸術・デザイン教育の在り方を模索する機会と捉え、さらにその歩みを進める。
同事業の一つとして、学科単位や附属施設ごとに実施する創立90周年記念展は9月から12月にかけて、同大学の90年の歴史と、そこから派生する未来への可能性を探る。
このうち、同大学美術館(リニューアル準備のため長期休館中)は10月19日から11月3日まで、令和4(2022)年に新しく同大学の附属施設となった「BLUE CUBE」(東京都町田市、同大学八王子キャンパスに近接)で、「EXPLOSION&EXPANSION 爆発と拡張――多摩美術大学の制作の現場から」を開催。同大学の制作現場の大きな活力と豊かな多様性、その最前線を「爆発と拡張」というテーマの下に切り出して示す。
「爆発」とは、昭和10(1935)年の同大学開学をビッグバンにたとえたもの。その後、90年間、同大学は果敢に拡張しながら日本の美術教育の最先端を走ってきた。
同展の会場となる「BLUE CUBE」はドイツに本社を置く食品卸売スーパー「METRO」の多摩境店(平成18〈2006〉年―令和3〈2021〉年)だった建物で、同大学美術館が今年度、同大学に在籍している学生と助手・副手の中から取り上げる13人と3チームは、こうした特殊な展示会場のオーラに負けない、その空間の中でこそ、一層生きてくる作品を作り出すことができると期待されている。
活用方法が検討段階にある「BLUE CUBE」は、ほとんど「METRO」撤退時のままに残されており、かつてスーパーマーケットだった場の構造や雰囲気の中で、独自のエネルギーを発するさまざまな作品がぶつかり合い、「自由と意力」を校是とする同大学らしいエキサイティングなアート空間を現出する。
記念事業では、創立90周年記念展のほか、10月18日に八王子キャンパス(東京都八王子市)で、大学創立90周年と校友会創立30周年を祝う記念式典、卒業生や関係者が集まるホームカミングデーを実施する。
また、教育・研究環境のさらなる充実を目指し、上野毛キャンパス(東京都世田谷区)で新校舎の建設を進めており、新たな学びの場が創造性豊かな人材育成に貢献することが期待されている。
さらに、同大学の学術・教育研究活動の質的向上と、今後の発展を支援するための募金活動も実施している。
同大学は、多摩帝国美術学校として開校以来、「自由と意力」を建学の精神に掲げ、数多くの芸術家やデザイナーを社会に送り出してきた。創立90周年という節目に、改めてその原点に立ち返り、これからの同大学の在り方を問い、芸術・デザインが社会に果たす役割を追求していく。
記念事業の詳細は、創立90周年記念サイト(https://www.tamabi.ac.jp/about/90th/)まで。


