東京都市大学の取り組み

世田谷キャンパス図書館のラーニング・コモンズ改修

学生の意見等取り入れ創造的な学びの空間へ

東京都市大学(東京都世田谷区)は4月、世田谷キャンパス図書館の地下1階にあるラーニング・コモンズをリニューアルした。地下1階という空間の特性を生かし、落ち着いた空間での集中グループワークやソロワークを中心に再構築されている。多様な用途に応じた、さまざまな場が設けられ、学生それぞれのスタイルで行われる学習をサポートしていく。

同大学では、世田谷・横浜の両キャンパスに主体的な学びを支援する場として平成27年度にラーニング・コモンズが誕生し、さまざまな資料や情報、各種設備等を提供することで、学生一人一人の学習をサポートしている。

世田谷キャンパス図書館のラーニング・コモンズの改修は、コンセプトと建築空間との調和を図った創造的な学びの空間とするためのもので、図書館を利用している学生と、図書館地下1階で活動しているラーニングサポーター(学部上級生や大学院生などによる「学習相談員」)、建築学科の学生らと意見を交換し、学生の意見や要望も取り入れて計画が進められた。

リニューアル後、ラーニング・コモンズの集中グループワーク用ブースは吸音性の高いパネルで囲われ、周囲を気にせずにディスカッションなどが可能となった。ソロ学習ブースも同様に吸音性の高いパネルが使用され、クローズドな空間で周りを気にせず集中することができる。

開かれたグループワークエリアのテーブルは可動式のため、最大8人が座っても十分なスペースを確保でき、カラフルな色合いの椅子が明るく対話できる雰囲気を作り出している。可動式のキャスター付きソファで構成されたエリアにはモニターを設置することで、振り返り学習や小規模なプレゼンのシーンに対応し、人数や用途に応じて構成を変更できる。窓際には、ゆっくり対話できるペア席を配置している。

これらのエリアで構成された空間の中央には、シンボルとなる円形のラーニングサポートカウンターが設置され、常駐しているラーニングサポーターが学習相談を受け付けている。バッテリーを搭載した移動可能な電源カートと、ノートパソコンの充電ができるモバイルバッテリーを導入しており、どの座席に座っていても電源が使用でき、パソコンやタブレットなどを使った学習に取り組むことができる。

リニューアルしたラーニング・コモンズでは、「試行錯誤する」「まとめる」「発表する」「振り返る」「発想する」というクリエイティブラーニングサークルを回すための多様な場を設けており、学生らの中から、より良いアウトプットが生まれるようサポートする。学生はそれぞれのスタイルで学習に励んでいくことが期待されている。