京都橘大学の取り組み

学生が主体となり「すだちぽんず」開発
学生同士の協働・社会的意識醸成へ
京都橘大学(京都府京都市)は昨年9~12月、キャンパスに実るすだちを活用し、学生が主体となってオリジナル商品「すだちぽんず」を開発した。同企画は令和5年度からスタートした「たちばなファームプロジェクト」の一環として実施され、学生目線で大学の魅力発信に取り組む「たちばな学生広報スタッフ」の学生16人が参加した。学生たちが中心となって、すだちの収穫から商品のプロデュース・PR活動まで、同大学ならではのオリジナル商品作りに取り組んだ。
同大学のキャンパスには梅、すだち、かりん、ざくろ、タチバナ、たけのこなど、多様な果物、野菜が旬を迎えると実り、例年、採れた果実などは地域交流イベント、たちばな大路こども園等で活用してきた。
こうした中、大学生活を過ごすキャンパスに愛着を持ってもらいたいという思いから、令和5年度にオリジナル商品の開発を目指す「たちばなファームプロジェクト」が立ち上がり、第1弾として、キャンパス産すだちを使用した味付けポン酢「すだちぽんず」が完成した。
開発過程では、京野菜を使ったレストラン「五十家コーポレーション」が協力した。同プロジェクトに参加した学生は「すだちぽんず」を使って、一人暮らしでも簡単に料理ができるレシピなども考案した。
令和6年度版「すだちぽんず」は初年度の配合を基に改良を重ね、醤油の割合をやや高めに調整し、ドレッシングや調味料としても活用できる「万能調味料」として、あっさりとした味わいに仕上がった。
学生たちは「商品の認知度向上」を課題として掲げ、大学祭でポン酢の試飲コーナーを設置し、来場者に提供。試飲を通して寄せられた感想を参考に「すだちぽんず」を活用したメニューを考案した。
メニューは「学業やアルバイトなどで多忙な大学生でも手軽に作れる」ことをテーマに開発し、商品購入者へ配布するリーフレットに掲載されている。InstagramをはじめとしたSNSでも情報発信を行い、多くの人に商品を知ってもらう施策を打ち出した。
完成した令和6年度版「すだちぽんず」は昨年12月24日から、キャンパス内の清風館1階「たちばなリンク」で、地域住民等にも向けて、限定100本(価格:540円〈税込み〉、内容量:200ミリリットル)で販売。学生たちのアイデアと努力が結実した「すだちぽんず」が地域交流の契機となり、一連の商品開発を通じて、学生同士の協働や社会的意識の醸成へとつながることが期待されている。