東京薬科大学の取り組み

未来の科学者・研究者を支援する研究発表会
熱心な議論で科学への理解深める
東京薬科大学(東京都八王子市)は昨年11月3日、同大学にて5年ぶりの対面形式で中高生対象の研究発表会「TAMAサイエンスフェスティバル in TOYAKU2024」を開催した。生命科学に興味を持つ全国の中高生が参加し、高度な科学議論を体験する貴重な機会を提供することで、未来の科学者・研究者を目指す若い世代を支援する活動の一環として実施。65演題が集まり、約200人が集う盛況なイベントとなった。
同イベントでは、中高生が自らの研究成果を発表し、審査員の教員等と活発なディスカッションを行った。参加者は熱心に議論し、科学への理解を深める場となった。
最も優れた発表には、平成28年にノーベル生理学・医学賞を受賞した東京科学大学の大隅良典栄誉教授の名を冠した「大隅賞」を授与し、その他、優秀賞、会場賞、研究奨励賞、協賛したアサヒ飲料㈱から「アサヒ飲料賞」を贈呈した。
発表者以外の参加生徒も積極的に議論に参加できるよう制定した「ベストディスカッサー賞」には多くの生徒がエントリーし、活発な議論で同イベントを盛り上げた。
大隅栄誉教授は「科学の楽しみは、まだ誰も見たことのない、解かれていない謎に触れること。抱いた疑問を大切にし、追求する気持ちを持ち続けてほしい。未来は君たちの手に掛かっている」と未来の科学者へ熱いエールを送った。
アサヒ飲料の米女太一代表取締役社長は「皆さんの持つ好奇心と探求心が未来を明るく照らす力になると信じている」とのメッセージを寄せた。
参加した高校教員は「審査の先生からの質問や今後の研究のヒントとなる貴重な意見を頂いた」「ベストディスカッサー賞の設置など、参加しやすい工夫があり、生徒たちの貴重な経験となった」などと感想を述べた。
なお、大隅賞は早稲田大学高等学院の鈴木雅人さん「沖縄県産サンゴにおける刺胞毒の調査と応用」、アサヒ飲料賞は山村学園山村国際高等学校の山口苺花さん「カカオニブの経口摂取によるヘアレスマウスの日焼予防効果と腸内フローラの改善」が受賞した。
各賞と発表校の詳細などは同イベントのホームページ(https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/tamasciencefes/2024/)まで。