日短協 地方創生で自治体との連携強化に関する説明会

新たな「交付金」を創設

自治体の首長等に事業への協力・参画申し出が必要

日本私立短期大学協会(会長=麻生隆史・山口短期大学理事長・学長)は昨年12月18日、地方創生2・0に向けた私立大学・短期大学と自治体との連携強化に関する説明会をオンラインで開催した。文部科学省高等教育局大学改革官の山下洋氏が「地方創生2・0の動向と地方自治体との協力体制に向けた手がかり」と題して、次のような概要で話した。

石破政権の重要政策、地方創生2・0で、大学側にも多くのチャンスと可能性があるのではないかと考えている。担当省庁は内閣官房・内閣府で、未確定の部分もあるが、自治体は既に動き始めていると聞く。各短期大学が自治体に対して速やかにアクションを起こし、アプローチをしていくことが重要だ。

地方創生2・0では自由度の高い「新しい地方経済・生活環境創生交付金」が創設された。この交付金は、地方公共団体の自主性と創意工夫に基づいて、「産官学金労言」というステークホルダーの参画を通じた独自の取り組みを強力に後押しするといわれている。

財源としては令和6年度補正予算で1000億円が措置され、令和7年度予算案では1000億円+アルファといわれている。事業規模は2倍となる。補正予算の場合、成立後直ちに公募、年明け後のしかるべき時に締め切り、年度中に審査が行われ、執行される。7年度予算についても切れ目なく公募・執行となることが想定される。

既に自治体に向けては内閣府の説明会が11月末に実施された。自治体ではプランニングや使い方の検討が急ピッチで進められている。スケジュール的には非常に逼迫しているので、各短期大学の責任ある方が、ターゲットとなる自治体の首長等に(参画の)意思を速やかに示し、具体的事業への協力・参画を進めることを勧めたい。

石破総理の所信表明では、地方創生2・0を、「産官学金労言」で英知を集め、我が「まち」を輝かせるため、共に取り組んでいく。デジタル技術の活用や、地方の課題を起点とする規制・制度改革を大胆に進めていくという決意が述べられている。

政府の総合経済政策として「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を創設し、地域資源を最大活用した農林水産業や観光産業等の高付加価値化、買い物、医療、交通等、日常生活に不可欠なサービスの維持向上、ブロックチェーン、NFT、ウェブ3・0等の新技術を活用したデジタル公共財による付加価値創出等の取り組みを支援する。DX・GXを一気呵成に推進するため、同交付金において、初期投資を含め、地域における取り組みを面的に支援する。令和6年度補正予算(案)では同交付金として1千億円、地方公共団体の自主性と創意工夫に基づき、産官学金労言における議論を踏まえた地域の独自の取り組みなどを支援する、としている。

短期大学側としては自治体にアプローチし、動きながら考え、コミュニケーションを深め、プランニングにつなげていく。アプローチする自治体も、短期大学が所在する自治体にこだわる必要も全くない。大学・短大がない自治体に短大がアプローチすることは、「産官学金労言」の枠組みで考えれば好都合な申し出とも想像できる。

この交付金は、可能な限り地方の発想を受け止めてそれを国が支援するといわれているので、申請書類が整っていれば、採択の可能性が非常に大きいと考えている、などと山下・大学改革官は話した。