私学振興協議会開催
私学団体代表が課題や要望説明
自民党議員と意見交換
全私学連合の大学から幼稚園までの5団体の会長等と与党・自由民主党の文部科学大臣、文部科学部会長経験者等で組織する「私学振興協議会」が、文部科学省の令和7年度概算要求提出を前にした8月22日、都内のホテルで開かれ、私学側から予算関係の要望事項や直面している課題等について説明があり、議員との間で意見交換が行われた。
私学側の共同代表は田中愛治・全私学連合代表・早稲田大学総長で、議員側の共同代表は遠藤利明・衆議院議員(元文部科学部会長)。渡海紀三朗・現政調会長を始め10人を超える衆参両院議員らが出席した。
田中、遠藤両共同代表の挨拶、山田賢司文部科学部会長の挨拶に続いて行われた私学側要望説明では、田中日本私立大学団体連合会会長が教育国債の創設によって将来の人的投資となる大学教育に対する十分な財源の確保の必要性を説明。
私大団体連副会長で、私立大学協会会長の小原芳明・玉川大学理事長・学園長が、憲法89条が足枷となって国立大学との間に大きな支援格差が生じていることを指摘。
続いて日本私立短期大学協会会長の麻生隆史・山口短期大学理事長・学長は、私立短期大学は地方都市に点在し、地元で高校を卒業後、地元の短大に入学、卒業後は地元企業に就職し、若者の地方定着に貢献、即戦力を短期間に養成、女性の活躍にも貢献していることなどを説明。人口減少から定員割れの激しい地域にあっては高等教育の修学支援新制度の機関要件について見直しの議論の必要性などを訴えた。
日本私立中学高等学校連合会会長の吉田晋・富士見丘中学高等学校理事長・校長は公立学校での教員の処遇改善が予定されている中で、私立学校での教員採用が問題となっていて、私学の教員が公立に移る懸念もあること、物価高騰による影響などへの対応を要請した。
日本私立小学校連合会会長の斎藤滋・桐光学園小学校校長は、私学全体を通じて国の支援が必要なこと、私立学校でも特別支援が必要な子供が増えており、環境整備への応援を要請、GIGAスクール構想による端末入れ替え、デジタル教科等について公立と同等の措置を要望した。
全日本私立幼稚園連合会は内野光裕副会長(清瀬ゆりかご幼稚園理事長)が園児減による経営圧迫や物価高の影響などを訴え、「地方から過疎地から幼児教育の灯が消えていくとして更なる支援と、教育の質の向上の重要性などを訴えた。
こうした私学側の要望に出席の自民党文教関係議員からは、「設置基準を厳しくしていくべきだ」「私学の教員の待遇問題も注視している」「教員養成は本来的に6年だろう。少なくとも5年位の期間が必要」「国公私立大学の連携の在り方を、地方公共団体を含め話し合う大学コンソーシアムは必置化すべきだ」などの意見が出された。