大阪国際大学の取り組み

保健体育科教員など目指す学生対象に

理論と実践力を学ぶ研修会を実施

大阪国際大学(大阪府守口市)は6月8日、保健体育科教員や運動・スポーツ指導者を目指す学生を対象に、21世紀型教育の総合キッズスポーツスクール「biima sports」を運営する㈱biima(東京都渋谷区)と連携し、学生のファシリテーション能力および教材研究能力の向上を目的とした実践形式の研修会を実施した。

同大学人間科学部スポーツ行動学科は「多くの人にスポーツの楽しさを伝えるプロに」を学びのポイントにしており、多くの学生が保健体育科教員や運動・スポーツ指導者を目指している。

運動・スポーツ指導では、(1)授業計画(どのようなことをするのか)(2)ファシリテーション力(実際に生徒等に指導する際の進め方)(3)専門的な指導(段階に応じた個別指導)の三つが重要であり、これらの能力を高めるために、今回、同社が運営するbiima sports事業本部人材開発部シニアマネージャーの樋口修哉氏を講師に招き、理論と実践力を学ぶ研修会を実施した。

研修会では、スポーツ科学や社会構造の変化がもたらす求められる人材の変化、教育における課題など、教育者や指導者として必要な知識・理論を学んだ後、実践的な模擬指導を体験した。前半は「10分のプログラムを作ってみよう」と題して、参加学生がグループに分かれて10分間のスプリント練習メニューをその場で考案。各グループが指導者役と生徒役に分かれて模擬指導を実践した。

後半では、「授業内での成長を意識して行ってみよう」と題して模擬授業を実施したほか、各プログラム終了後には参加学生全員でそれぞれのプログラムについての振り返りを行った。

参加した学生からは「自分の指導でスポーツを楽しいと思ってもらえることがすごくうれしく、楽しいことだと思えた」「研修会を受けて、目標設定の大切さ、あるいは雰囲気の作り方や声の掛け方などの取り組む姿勢が学べ、教育実習に行く前にとても良い経験ができた」「PDCAサイクルを利用して考え、実践する、目標設定に応じた内容を考えるなど、少しの工夫だけでこのように楽しい授業ができると感じた」といった感想が寄せられた。

今回の研修会を企画した同学科の谷川哲朗准教授は企画した意図について「本学科の学生は、授業計画を完成させることに精一杯で、授業時のファシリテーションに悪戦苦闘し、生徒個々の状況に目が届かずに授業を行っているケースが多いように思う。そこで、学生が自信を持って教育実習に臨めるように、教員として必要と考えられる授業計画、ファシリテーション力、専門的な指導の三つの能力を身に付けることができる実践形式の研修会を企画した」と話している。

また、「この三つの能力は教員だけにとどまらず、スポーツ指導者にも必要な能力であり、研修会には教員志望者以外の学生にも参加を促した」としている。