第2回質の高い教師の確保特別部会開催

直ちに取り組むべき施策議論

今後、「緊急提言」として公表へ

教員の厳しい勤務環境等受け

文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会の下に設置されている「質の高い教師の確保特別部会」(部会長=貞広斎子・千葉大学教育学部教授)は7月24日、対面とオンラインのハイブリッド方式で第2回部会を開いた。第2回では、働き方改革が進められているものの、依然、教師の在校等時間は長く、勤務環境改善が必要なこと、教職志望者が減少傾向にあることなどを踏まえ、直ちに取り組むべき施策に係る論点案について議論した。直ちに取り組むべき施策は「緊急提言」という形で今後公表の予定で、8月下旬頃開催の第3回部会で過去2回までの議論内容等を基に作成された緊急提言案が示され、検討される予定。

この日、同省から示された「直ちに取り組むべき施策に係る論点案」は、(1)学校・教師が担う業務の適正化、(2)学校における働き方改革の実効性の向上等、(3)持続可能な勤務環境整備等の支援の充実が三本柱。

このうち、(1)学校・教師が担う業務の適正化に関しては、いわゆる「学校・教師が担う業務に係る3分類」の実効性を高める取り組みが課題。3分類とは働き方改革推進のため学校を巡る業務の考え方を明確化、役割分担や適正化を進めようと、平成31年の中教審答申が提言したもので、「基本的には学校以外が担うべき業務」(登下校に関する対応、学校徴収金の徴収・管理等)、「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」(校内清掃、部活動等)、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」(学習評価や成績処理、学校行事の準備・運営、支援が必要な児童生徒・家庭への対応等)のこと。

中教審答申から5年ほど経過したが、項目によって改善度合いにばらつきが見られ、学校以外の主体の協力を得る必要がある取り組みには課題が見られている状況だ。そのほか(1)では学校行事の精選、ICTの活用による校務の効率化の推進等を挙げている。登下校に関する対応では、定められた登校時間より著しく早く(1時間等)児童生徒が登校してくる例もみられることから各校の状況に応じ、保護者や地域住民の理解を得つつ、例えば開門は登校時間の直前とするなど、朝の時間帯の学校の業務負担軽減を図る必要性などが指摘されている。

(2)学校における働き方改革の実効性の向上等に関しては、地域・保護者との連携協働、休憩時間の適切な徹底や、メンタルヘルスの要因分析や対策の好事例の創出など健康福祉の確保の徹底、在校等時間の把握に係る全国共通の考え方を改めて示すこと等が課題とされている。公立学校の教育職員約92万人のうち精神疾患による病気休職者数(令和3年度)は5897人で過去最多を記録、また教育職員の精神疾患による長期療養者数(精神疾患による病気休職者及び1カ月以上の病気休暇取得者)も令和3年度過去最多の1万944人を数え、近年では特に20代の伸びが顕著(平成29年18・6%→令和3年25・5%)となっている。

(3)持続可能な勤務環境整備等の支援の充実に関しては、教員業務支援員の小・中学校への配置拡大、給特法等の法的枠組みを含めた教師の処遇の抜本的改善、教師のなり手確保のため、大学と教育委員会による教員養成課程の見直しや地域枠の設定などを論点に挙げている。

こうした論点案について同特別部会の委員からは、「標準授業時数を大きく上回っている学校については早急な見直しが必要。また保護者の過剰な要求、不当な要求に関しては国としてモデル事例を創出し、教育委員会を支援してほしい」「改革は上から指示すべきで、下からでは改革によって問題が起きないか心配してしまう。強力なリーダーシップが必要だ」「いわゆる3分類では教員が直接的に関わることを明確にして徹底すべきだ。カリキュラム・オーバーロードに対しては学習内容の再構築が必要だ」「国が明確なメッセージを出すトップダウンと、事例の共有を分かりやすい形で行ってのボトムアップでの改革が重要だ」などの意見が聞かれた。

また、「3分類のことは知っているが、(校内で教員は)誰が上に提案するか、見合っている状態で、校内では話題に上げづらい。教員は事例を具体的な形にすることに慣れていない」「できることは、やりましょう、では、(どうしていいのか)分からない。誰が何をすればいいかをはっきりさせてほしい」「学校の開門時間に関しては責任の所在があいまいになっている。しっかり議論してほしい」「小学校高学年の教科担任制をしっかり進めてほしい。支援スタッフの充実に関しては、最も多忙な副校長や教頭の支援も考えてほしい。3分類に関しては具体的に検証して実効性を高めてほしい」などの意見が聞かれた。