大谷大学の取り組み

学生会中心にコーヒープロジェクト展開

地域と一体となった取り組みが形に

大谷大学(京都市)は7月1日、学生会を中心に、ブレンドからネーミング・パッケージデザインまでを一貫して手掛けた「尋(じん)珈琲」の販売を開始した。

同大学では2012年から、北大路商店街の「珈舎 伊藤珈琲」の協力の下、オリジナルブレンドコーヒー2種「はるかぜ」「Young Leaves」を開発し、通称「Otani Coffee」として販売している。販売から10年が経過し、リニューアルを検討するに当たり、学生会による「大谷 ほっと コーヒープロジェクト」が2022年9月に始動した。

同プロジェクトは同大学の学生、新入生、関係者らがコロナ禍で制限を強いられる中、勉学、課外活動、仕事などで疲れた際にコーヒーを通して「ほっと」ひと息つけるような、ひとときを楽しんでもらいたいという思いで活動した。試作会や試飲会、完成品・商品名の投票会など、関係者全員が同プロジェクトに携わり、同大学が一体となってオリジナルコーヒーの開発に取り組んだ。

販売開始に先駆けて、6月20日に実施された完成披露会で、同大学の一楽真学長は「地域に育てられてきた大学として、このように学生会と地域が一体となった取り組みが形となって大変喜ばしい」と祝辞を述べた。

同大学の哲学科教授で学生部長も務める藤枝真氏は「多くの学生、教職員が楽しそうに意見を言い合っている様子や、プロジェクトメンバーが一致団結して生き生きと活動している様子を見て、全学生、全教職員がこのプロジェクトを通して、つながることができたと実感した」と語った。また、「このプロジェクトに限らず、学生主体で取り組む活動については、大学として積極的に応援や支援を行っていきたい」との考えを示した。

同プロジェクトの中心的な役割を担った新入生歓迎実行委員会の中野隆希さん(教育学部教育学科初等教育コース/第3学年)と嶌本愛さん(同)はコーヒーに込めた思いや開発の背景について説明した。中野さんは「コロナ禍で活動が制限されていた中、学生みんなで一つのものを作り上げたいという思いでプロジェクトを発足した。大学関係者延べ600人以上を巻き込み開発する中で、いかに多くの意見を反映させられるかに苦労したが、活動を通して、人や意見を取りまとめる力が身に付いた」と述べた。

嶌本さんは「コーヒー好きが高じて知識を深めたいという思いでプロジェクトへの参加を決めた。受験生や社会人、学生を中心に多くの人に香りと味の2段階で安らぎを感じてほしい」と話した。

開発に協力した「珈舎 伊藤珈琲」の伊藤達店長は「学生たちの思いが詰まったコーヒーをぜひ味わってもらいたい」とコメントした。

完成披露会後には、尋珈琲の試飲会を行った。また、6月20~22日の昼休みには、学生、教職員を対象とした完成披露会を同大学慶聞館1階ミナイール・プラザで開催し、「尋珈琲」アイスコーヒーと「尋珈琲」ドリップバッグを先着順で配布。多くの学生、教職員が参加した。

尋珈琲の名前は大学を象徴する建物「尋源館」に由来する。

「尋珈琲」は「珈舎 伊藤珈琲」の店頭、ECサイト(https://www.ito-cafe.com/、ギフトボックスと豆のみ)で購入できる。