近畿大学の取り組み

学生がレシピの提案や試食調査等を担当

福島県の復興へバーガー・サンド共同開発

近畿大学農学部(奈良県奈良市)は福島県の復興を目指して、福島県産の食材を使ったバーガー・サンドを産官学連携で共同開発した。同大学農学部の学生がレシピの提案や試食調査等を担当。同大学が持つ福島県復興に資する知の集積・活用の進展を目指している。

同大学では、「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業(事業名:“オール近大”川俣町発・復興人材育成プロジェクト)」を活用し、農学部が中心となって、福島県川俣町関係者と共同で川俣町の地域資源を生かした商品開発やメニュー開発等を行っている。

その一環で対象範囲を周辺地域にも拡大。㈱川俣町農業振興公社、川俣町、一般社団法人りょうぜん振興公社、国見まちづくり㈱との産官学連携によって、「ふくしま伊達地域」の道の駅3駅(道の駅川俣、道の駅伊達の郷りょうぜん、道の駅国見あつかしの郷)で販売するバーガー・サンドを共同開発した。

商品開発では、同大学農学部食品栄養学科栄養教育学研究室(担当:川西正子准教授、明神千穂講師)、農業生産科学科農業経営経済学研究室(担当:大石卓史准教授)の学生がレシピの提案や試食調査、一部の商品名の提案を行った。

道の駅川俣の「かわまたバーガー シャモ親子テリヤキ」(価格:税込み650円)は、川俣町の特産品である川俣シャモの特製ひき肉パテと卵を使い、テリヤキソースで味付けをした。

道の駅伊達の郷りょうぜんの「だてのハーブ鶏BIGカツサンド」(価格:税込み580円)は、柔らかく、ヘルシーな伊達のハーブ鶏カツをサンドして、オリジナルソースと、さっぱりとしたマスタードのレリッシュ(薬味)を使って調理した。

道の駅国見あつかしの郷の「国見バーガー(ニラ麻婆)」(価格:税込み540円)は、国見町内の中国料理・桜華楼の特製「麻婆たれ」とシャキシャキとした食感のレタス、ニラ、れんこんを使用し、中華風に仕上げた。それぞれ地元の食材を使い、各市町の魅力を味わうことのできるバーガー・サンドになっている。

同大学は2012年に「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」を立ち上げ、東日本大震災からの復興に取り組む川俣町の支援を行っている。2017年には、川俣町役場との間で包括連携協定を締結した。

また、2018年度から2020年度は、「大学等の『復興知』を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業」、2021年度からは「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業」をそれぞれ活用し、さらなる復興支援や連携強化に取り組んでいる。

「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業」は、大学等が持っている福島県復興に資する知を集積・活用するため、大学等による連携体制の形成や、特色ある教育研究プログラムの開発・実施を支援することによって、福島イノベーション・コースト構想の実現に向け、イノベーションを生み出す高度な人材の長期的な教育・育成の基盤を構築することを目的としている。

同大学は、この事業の採択を受け、2021年度から5年の予定で「“オール近大”川俣町発・復興人材育成プロジェクト」を実施している。同事業では、複数の重点分野(A:農業・食、B:原子力・除染・リスクコミュニケーション、C:観光、D:集落復興・コミュニティ再生、E:SDGs)を設定。川俣町を拠点に、学生、地域関係者の双方を対象とした教育研究プログラムを開発し、小中学生から社会人までのさまざまなターゲットに対して実施している。

なお、共同開発した商品は3月18日、19日、道の駅伊達の郷りょうぜんで開催されたイベント「道の駅伊達の郷りょうぜん5周年記念感謝祭」で先行販売された。今後、道の駅3駅で順次販売する予定。