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記事2024年1月13日 2634号 (1面) 
令和6年度文部科学省予算案A
高等教育等の授業料負担軽減拡大
少子化対策重視の方針受け

昨年末に政府の令和6年度予算案が閣議決定されたが、前号に続き文部科学省関連予算案を中心にその概要を報告する。令和6年度政府予算案で特に目立っているのが、岸田内閣の主要政策であり、わが国の将来を左右するものとして注目を集める「次元の異なる少子化対策の実現」であり、それを受け高等教育等の授業料等の負担軽減策の拡充だ。


 このうち高等教育の修学支援の充実に関してはこども家庭庁計上予算も含め総額で6412億円が計上されている。前年度と比べ98億円の増額。内訳は、(1)高等教育の修学支援新制度(授業料等減免・給付型奨学金が5438億円(国・地方の所要額は5908億円)、(2)貸与型奨学金・授業料後払い制度の無利子奨学金が974億円。


 (1)の事業は少子化に対処するための社会保障関係費としてこども家庭庁に予算計上、文科省が執行する。財源は消費税で、そのうち授業料等減免(国等が各学校に交付)では私立大学の場合、授業料約70万円、入学金約26万円が減免される。そのほか、短期大学、高専、専門学校も対象で国公立か私立か学校種によって減免額が異なる。同時に給付型の奨学金が日本学生支援機構を通じて各学生等に支給される。学校種や自宅生か自宅外生かで支給額が異なり、私立の大学、短大、専門学校の自宅外生では年間約91万円が支給される。


この制度は住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯が対象だが、令和6年度からは新たな支援区分(世帯年収380万円〜600万円程度まで)の多子世帯(扶養する子が3人以上)、理学・工学・農学系学科等の学生を支援する。多子世帯への支援額は、全額が支援される住民税非課税世帯の1/4、理工農系には文系との授業料差額が支援される。  


令和7年度から多子世帯に関しては、所得制限を設けず、大学等の授業料・入学金を無償化する。対象学生に係る学業の要件については必要な見直しを図ることを含め、早急に具体化する方針。  


一方、(2)には無利子奨学金、授業料後払い制度(大学院修士段階)、有利子奨学金があり、無利子奨学金は政府貸付金を、有利子奨学金は財政融資資金を活用、授業料後払い制度は令和6年度は民間資金を活用する。


また令和6年度からは、大学院(修士段階)の授業料後払い制度が創設されるが、後払いできる授業料の上限は私立の場合、約78万円となる予定。本人の年収が300万円程度から支払いが開始となるが、子供がいれば、本人年収が400万円程度まで所得に応じた納付は始まらない。


授業料後払い制度に関しては、政府の「こども未来戦略」(昨年12月22日閣議決定)には、学部段階への本格導入に向けたさらなる検討を進め、今後の各般の議論を踏まえ、速やかに結論を得ること、その財源を強化するためHECS債による資金調達法を導入する、としている。  


さらに高校生等への修学支援事業があり、令和6年度は4244億円が計上されている。前年度比39億円の減額。このうち高等学校等就学支援金等は対象となる世帯年収(910万円未満)、私立高校等の場合の支給限度額(39万6千円)等に変更はない。高校生等奨学給付金は非課税世帯・全日制等(第1子)の給付額が国公立、私立とも5千円引き上げられ、私立では給付額が14万2600円となる。高校等に関しては大阪府や東京都など地方自治体で授業料等の無償化が進展している。近畿圏では大阪府の私立高校を含めた授業料無償化策の近畿圏への拡大や授業料のキャップ制が大きな注目を集めており、また東京都では令和6年度から私立中学生のいる世帯に所得制限なく生徒1人当たり10万円を支給、高校については都立、私立を問わず授業料を実質無償化する方針。

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