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記事2023年1月13日 2600号 (1面) 
規制改革推進に関する中間答申公表
大学の連携・統合・縮小・撤退促進制度見直し 
公私間の定員調整等実態把握

 岸田総理の諮問機関の規制改革推進会議(大槻奈那議長)は令和4年12月22日、同年10月から始めた審議の「中間答申」をまとめ、公表した。今年夏には答申をまとめる。答申に向けては五つの重点分野の一つに「人への投資」を掲げており、今回の中間答申では、労働時間制度の見直し、大学設置基準の見直し、大学に関する調査・情報公開の充実・強化、認証評価等事後評価の在り方、大学の連携・統合および縮小・撤退の促進に向けた制度の見直し、高校の参入規制の見直しを取り上げている。


 このうち労働時間制度の見直しに関しては、労使双方にとって有益でシンプルな制度となることなどに留意して労働政策審議会の議論を経た上で裁量労働制を含む労働時間制度の見直しを令和5年度中に検討し、結論を得次第速やかに措置することを求めている。


 教育に関してはイノベーションを促進するため、「事後型の規制・制度」重視の方針を示しており、大学設置基準等の見直しのうち教育課程等に係る特例制度の申請を行いやすくする観点から、審査、認定の状況を分かりやすく整理・公表するよう令和4年度以降継続的に措置することを求めている。 


 また私立大学への支援の在り方を始めとする連携・統合、縮小・撤退に向けたインセンティブの設計を含む経営者の行動変容を促すための措置の検討、今後の経営困難校がどれだけ生じるか、また再建・撤退の際に最低限必要となる残余財産がどれだけなのかなど、将来の経営に関するシミュレーションの実施、早期に健全化すべき大学を特定するための経営判断指標および基準値の設定、大学に対するデューデリジェンス(当然実施すべき注意義務・努力)の在り方、再建・撤退に関する判断基準の整備、大学の再建・撤退のための支援機関や機能、スキームの整備について令和4年度から検討を開始するよう求めている。


 一方、高校に関しては、都道府県の設置認可に係る審査基準等による参入規制について定期的に実態把握を行い、必要な措置を講じること、公私間を始めとする定員調整等の現状や、公正な競争を実現する上での課題について関係機関の見解も踏まえ実態把握を行うこと、私立学校審議会に関して議事録の公開や委員構成、審議事項の在り方の留意事項や好事例等を都道府県に周知すること、事後型の規制・制度の充実に向けた必要な方策の検討を令和5年中に行うよう求めている。

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