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全私学新聞

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記事2022年9月3日 2588号 (1面) 
私学振興協議会を開催
私学関係政府予算と税制改正テーマに
文教関係議員と私学団体代表が意見交換

 全私学連合を構成する私学団体の代表と与党・自由民主党の文部科学(文部)大臣経験者、文部科学(文教)部会長経験者、現職の文部科学部会長で組織する「私学振興協議会」が8月23日、都内のホテルで対面方式により開催された。現在の共同代表は私学側が田中愛治・全私学連合代表(早稲田大学総長)、議員側が塩谷立衆議院議員(元文部科学大臣)。


 私学団体側から令和5年度文部科学省の概算要求に向けた要望が行われ、大学関係では日本私立大学団体連合会の田中愛治会長が、国・私立大学の公財政支出の格差は12・8倍あり、授業料等について私大生は、国立大学の2・3倍負担するなど非常に厳しい状況に置かれており、納税者の負担を公平にしてほしいと訴えた。このほか専門職大学への補助が私学助成の中に入るならば補助金のパイを増やしてほしいなどと要望した。


 続いて日本私立短期大学協会の関口修会長が、私立短期大学は主に女子の高等教育機関として、卒業生が地域に就職、地域を支え、活性化に貢献していることから地域振興に見合った支援の充実等を要請した。


 日本私立中学高等学校連合会の吉田晋会長は、特に部活動の在り方の見直しに言及し、生徒の意向が十分くみ取られない中での性急な改革を懸念していること、国会議員に対しては、現場の声に耳を傾けてほしいなどと訴えた。


 日本私立小学校連合会の重永睦夫会長は特に私立小学校にも特別な支援を必要とする発達障害児が入学してきており、従来の教員配置体制では対応できなくなってきていることを説明、支援制度の創設を要望した。


 全日本私立幼稚園連合会の田中雅道会長は、ゼロ歳児から教育の軸の中で育てていく重要性を強調、幼児教育の質の確保のため、改めて幼児教育振興法の成立を国会議員に要請した。


 こうした私学の要望に国会議員側からは、さまざまな意見が出された。元文科大臣の萩生田光一・自民党政調会長が改めて教育(人づくり)を中心とした国造りの重要性を指摘。その他の議員からは教育(の費用)については社会全体が負担するというロジックへの転換、教育が「財布」を持つため、教育国債の検討の必要性、私立学校は今後何をなしていくべきか、文部科学省と並走しながら少子化時代の私学の在り方を打ち出していくべきだなどの意見が出された、最後に塩谷共同代表は「国公私立間の格差是正については理屈も付け具体的な目標を決め取り組んでいくことが重要。専門職大学のことも検討していかなくてはいけない。部活動は私学がリードできるところではないか。また文理融合にもしっかり取り組んでいく必要がある」などと語った。


挨拶する塩谷立共同代表


挨拶する田中愛治共同代表

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