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記事2022年9月13日 2589号 (1面) 
中教審第169回大学分科会開催
大学設置基準等改正要綱案を承認
教育課程等特例制度運営委の新設も

 文部科学省の中央教育審議会大学分科会(分科会長=永田恭介・筑波大学長)は9月7日、オンラインで第169回会議を開催した。この日は、まず大学設置基準等改正に係る諮問が行われた。同分科会の質保証システム部会が検討を進め、今年3月18日に取りまとめた審議まとめを踏まえ策定された大学設置基準等改正要綱案が示され、新設される「基幹教員」や「教育課程等の特例制度」等に関して一般からの意見募集で寄せられた懸念に関して同省の考え方が説明された。


 このうち「教育課程等の特例制度」に関しては内部質保証等の体制が十分機能していること等を要件に、特例の認定に当たっては公正な審査を行うこと、認定後は年1回の実施状況報告が必要で、運用に問題点等が疑われる場合の報告聴取や、認定取り消しの規定が設けられること等が説明された。具体的には審査の実施に向けた諸事項の決定、大学からの申請に基づく特例の認定に係る審査等を行う「教育課程等特例制度運営委員会」を同分科会の下に新設することが提案され、同分科会で承認された。同委員会のメンバーは永田分科会長と同省が決定する。


 特例事項として想定されているのは遠隔授業による修得単位上限(60単位)、単位互換上限(60単位)、授業科目の自ら開設の原則、校地・校舎面積基準など。


 次いで同分科会に設置されている大学振興部会が検討を進めている文理横断・文理融合教育の推進に関して審議経過メモが報告された。同分科会委員からは、「文理横断・文理融合の中身がはっきりしない。文理複眼を強調してほしい」「文理融合と専門教育の関係をはっきりしてほしい」「同質化を危惧する」などの意見が出された。


 また、転学部・転学科しやすい仕組みを求める意見、高校2年の段階で志望大学等によって文系、理系に振り分けられ、私大文系志望ではほとんど理系科目を勉強しないことを問題視、大学入学選抜にもっと着目した文理横断・文理融合を求める意見等が聞かれた。


 この後、中教審の教育振興基本計画部会での審議状況が報告され、大学分科会委員からは、「次期基本計画のコンセプトに挙げている日本型ウェルビーイングが分かりにくい」といった意見や、「理想論に走っている。現状が付いていけないのではないか」といった意見が出された。


第169回大学分科会

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