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記事2022年12月13日 2598号 (1面) 
全審連が通信制高校省令改正で意見書提出
高等学校通信教育制度の抜本的な見直しを切望

 全国私立学校審議会連合会(近藤彰郎会長)は、11月28日、高等学校通信教育規程の一部を改正する省令案について、文部科学省初等中等教育局の田中義恭参事官(高等学校担当)に意見書を提出した。意見書では、「通学コースの設置などによって全日制・定時制課程と判別のつかない広域通信制高等学校が設置されている。加速度的に教育形態が多様化し、営利目的化する通信制課程の現状を踏まえれば、根本からの対応策の早急な実施が必要である」と指摘。また「一部の広域通信制高等学校では、数日間のスクーリングのみで高等学校卒業資格が取得できると謳い、安易でショートカット的な学修が躊躇いも無く行われている。国はこうした実態を踏まえ、広域通信制高等学校が行う教育が、公教育機関の在り方としてふさわしいか否かの観点から、改めて通信教育制度の目的や意義を検証されたい」と要望。さらに「これ以上、生徒や保護者が不利益を被ることがないよう、国が明確な設置認可基準を策定することや、特例的に緩和されている教育課程を全面的に見直すことなど、実効性のある形で実施する必要がある」とし、「現行の通信制制度の仕組みが公然と営利目的に利用され、将来的には公教育制度そのものが、なし崩し的に瓦解していくことさえ危惧される」と警鐘を鳴らした上で、「今般の省令改正による是正策を着実に実行することはもとより、高等学校通信教育制度の抜本的な見直しを切に要望する」と結んでいる。今回の改正省令案では、通信制高等学校の質保証の観点から、教諭等の数は5又は当該課程に在籍する生徒数を80で除して得た数のいずれか大きい数以上とし、教育上支障がないものとする、などの規定を設けている。施行は来年4月1日。施行から2年間は特別の事情があり、教育上支障がない場合に限り、従前の例によることができる。

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