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記事2022年11月23日 2596号 (1面) 
令和4年度私学振興全国大会を開催
中高連日私学保連
文科大臣、自民党文教議員に
概算要求の満額実現要請

 日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長)と日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(門傳英慈会長)は、11月9日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷(私学会館)で「私学振興全国大会」を開催した。この大会は、年末に予定されている来年度政府予算案編成の中で文部科学省の私学関係概算要求の満額実現を文部科学大臣や与党・自由民主党の文教関係議員に要請するための大会。今年は、全国から参集した私立中学高校の理事長や校長、保護者会の代表等約390人が、文科省の永岡桂子大臣や与党・自由民主党の萩生田光一・政務調査会長、遠藤利明・総務会長ら国会議員本人27人と代理出席者23人等に私学関係予算の拡充や保護者負担の軽減等を要請した。


 大会では冒頭、工藤誠一・中高連副会長が開会の辞を述べ、続いて吉田中高連会長が主催者代表挨拶を行い、「経費が全額公費で賄われる国公立学校と異なり、私立学校は経常費助成と学納金によって支えられていることから、経常費助成費等補助金をはじめとする公的支援の拡充とともに、保護者に対する授業料等の軽減支援措置の拡充が重要である。それによって子供たちは希望する学校を選択することが可能となる。私立学校は、わが国の学校教育において、重要な役割を果たしている。そのことにご理解いただいた自民党の先生方の大変なご尽力により昭和50年に私立学校振興助成法が成立し、今日の私学振興に大きく寄与している。私たち私立中学・高等学校は生徒、保護者の期待に応えられるよう、この私学助成と保護者にご負担いただく学納金によって、子供たちの教育をより一層充実させていくことをお約束し、主催者挨拶とさせていただく」などと語った。


 続いて門傳・日私学保連会長は、「社会が大きな転換期を迎えようとしている今、私立学校においても、新しい教育への対応をはじめとして、教育の更なる充実が図られるよう、令和5年度の私学関係政府予算の編成に当たっては、私立学校の経常費補助金をはじめとする所要の補助金等の拡充強化に向け、ご臨席の国会議員の先生方には格別なるご理解と絶大なるお力添えを賜りますようお願い申し上げる」などと語った。


 こうした主催者側の要請に永岡文科大臣は「今後ともご出席の先生方のお力も得つつ、私立学校の発展のために精一杯取り組むので、なお一層のご指導ご支援、ご協力をお願いしたい」と挨拶した。また萩生田政調会長は、「公財政教育支出の対GDP比は、OECD諸国の平均4・4%と比べても3・0%であり、参加国中正に最下位。変化の激しい時代だからこそ、子供たち一人一人が未来を生き抜く力を身に付けることができるよう、最大限の支援を行っていかなくてはならない。こうした中、建学の精神の下、社会や時代のニーズを先取りした多様で特色ある教育を展開している私立学校の存在意義は今後ますます大きくなっていくと思っている」と語り、わが国の公教育を支える私立学校の頑張りを党としてもしっかり支えていく考えを表明した。


 続いて遠藤総務会長は、今後の文教政策に言及し、「日本という国で本当に教育が大事なら財源を新たに作っていくことが必要で、人材という財産を残すには教育国債も必要かもしれない」と語ったほか、憲法改正では私学は公教育であることを89条でしっかり謳うことが大事なこと、人口減少の中で、私立学校は日本の教育の良さをアジアの子供たちにしっかり認識してもらい、一緒になって繁栄をつくっていくことが大事だなどと語った。


 そのほか下村博文・元文部科学大臣は憲法改正等を通じて教育立国の実現に取り組んでいく考えを力説。塩谷立・元文部科学大臣は、「審議は来年の通常国会になるが、(学校法人の)ガバナンスをしっかりと定めることで国民・世間に対して私学は頑張っていることを明記し、より一層これからの私学振興に努力していただきたい」などと語った。


 この後、近藤彰郎・中高連副会長が私学振興について要請を行い、経常費等補助金をしっかりと守っていただくこと、創意工夫ができる自由闊達な環境を確保していただくことの2点を要請。


 続いて保護者の代表が教育環境の一層の充実と、保護者の経済的負担の更なる軽減を求めた「保護者の願い」を読み上げ、塩谷・元文部科学大臣に手渡した。


 その後、中園裕介・日私学保連副会長が補助金の大幅な拡充を求めた大会決議案を読み上げ、参加者全員で採択、永岡大臣に手渡された。最後に松良千廣・中高連副会長が閉会の辞を述べ、大会を締め括った。










私学振興全国大会で主催者を代表して挨拶する吉田・中高連会長

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