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記事2022年1月23日 2567号 (1面) 
令和4年度文科省予算案 続報
私立小・中学等の授業料減免支援措置創設
私立高校等ICT補助、パソコンも対象に

 文部科学省は1月18日、令和4年度予算案の詳細な内容を公表した。私学助成関係予算等の概要は、本紙2565号で一部報告したが、引き続き令和4年度私学関係予算案の詳細な内容について報告していく。今回は令和3年度までの5年間の実証事業から本予算として認められた「私立小中学校等における家計急変世帯への支援」と喫緊の課題である「私立高等学校等ICT教育設備整備推進事業」について報告する。


 私立小学校、中学校等における家計急変世帯への支援=同補助金は幼稚園から大学までで、授業料減免支援がなかった私立小学校、中学校等に授業料減免支援措置を創設するもの。私立高等学校等経常費助成費等補助金の特別補助の中に設けられており、予算額は10億円。


 補助対象は、私立小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校前期課程、特別支援学校の小学部、中学部の家計急変世帯(急変後の年収が400万円未満相当で資産保有額が700万円未満〈資産保有額は自己申告〉)。家計急変年度は都道府県の定める要件を満たす世帯が対象となる。


 その後も低所得の状態が続いた場合は所属する学校を卒業するまで支援が継続されるのが特徴。支援額の上限は年額33万6千円で、家計急変年度は都道府県が定める支援額となる。支援額の費用負担は国が2分の1、都道府県が2分の1で、学校負担はない。都道府県がこうした支援制度を設ける必要がある。


 また高校に関しては、従前から授業料減免事業があり、令和4年度の予算額は1億円。これも私立高等学校等経常費助成費等補助の特別補助の中に盛り込まれている。


 詳細は、(1)当該年度に発生した保護者等の失職、倒産などの経済的理由から授業料の納付が困難になった生徒(高校段階の生徒に限る)、(2)生活保護世帯の児童生徒(高校段階の生徒は除く)が対象、支援額は学校法人に交付された都道府県補助金の2分の1以内。


 高校等に関してはこのほか就学支援金等(年収910万円未満の世帯の生徒等が対象)や奨学給付金(生活保護世帯・非課税世帯が対象)制度が設けられている。


 私立高等学校等ICT教育設備整備推進事業=この事業は私立の高等学校等におけるICT教育設備の購入費の一部について国が補助する事業で、令和4年度の予算額は13億円。昨年12月成立した文科省の令和3年度予算でも3億円が計上されている。このICT補助は学校法人が設置する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校が対象。4年度からは従前のソフトウエア(DVD、ライセンス等)、周辺機器(プリンタ、スキャナー等)、視聴覚関連機器(デジタルカメラ、電子黒板等)、附帯工事費等に加え、コンピュータ本体が対象に加えられた。補助対象経費の限度額(下限)もこれまでの500万円以上から100万円以上に引き下げられている。上限額は4千万円以下。補助率は2分の1以内。

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