こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2021年3月13日号二ュース >> VIEW

記事2021年3月13日 2538号 (1面) 
第11期中央教育審議会が発足
教師の養成・採用・研修等で諮問
総会直属の部会も新設

 第11期中央教育審議会が発足し、3月12日、第11期初の総会(第128回)が文部科学省で対面方式とWEB会議方式の併用で開催された。委員は29人、うち14人が新任。会長には前期に続いて渡邉光一郎・第一生命ホールディング株式会社取締役会長・一般社団法人日本経済団体連合会副会長が就任した。この日の総会では萩生田光一文科大臣から、(1)「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方」、(2)「第3次学校安全の推進に関する計画の策定」の2点について諮問があり、(2)については、令和3年度中に答申する。また諮問事項(1)を検討するため、新たに「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会を総会直属の部会として設けることが了承された。特別部会の委員の人選は渡邉会長に一任された。


 第11期の新任委員としては、私学関係者では吉田晋・富士見丘中学高等学校理事長・校長(日本私立中学高等学校連合会長)、清水信一・学校法人武蔵野東学園常務理事が参加。また諮問事項(2)の審議のため、内田由紀子・京都大学こころの未来センター教授・副センター長、渡辺弘司・日本学校保健会評議員・日本医師会常任理事が新たに参加している。


  諮問事項(1)に関しては、「令和の日本型学校教育」において実現すべき教師をめぐる理想的な姿として、学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め、教職生涯を通じて学び続け、子供一人一人の学びを最大限引き出し、主体的な学びを支援する伴走者としての役割を果たす。多様な人材の確保や教師の資質能力の向上により質の高い教職員集団を実現し、多様なスタッフ等とチームとなり、校長のリーダーシップの下、家庭や地域と連携しつつ学校が運営されている、働き方改革の実現や教職の魅力発信、新時代の学びを支える環境整備により教師が創造的で魅力ある仕事であることが再確認され、志願者が増加し、教師自身も志気を高め、誇りを持って働くことができている、と描いている。 


 こうした理想に向けて、既存の在り方にとらわれることなく、基本的なところまで遡って検討を行い、必要な変革を実施、教師の魅力を向上させるとしている。具体的には、(1)教師に求められる資質能力の再定義(「令和の日本型学校教育」を実現するために教師に求められる基本的な資質能力)、(2)多様な専門性を有する質の高い教職員集団の在り方(優れた人材確保のための教師の採用等の在り方、強みを伸ばす育成、キャリアパス、管理職の在り方)を中心に議論して、その上で、(3)教員免許の在り方・教員免許更新制の抜本的な見直し((1)を踏まえた教職課程の見直し、学校外で勤務してきた者等への教員免許の在り方、免許状の区分の在り方、必要な教師数と資質能力の確保が両立する教員免許更新制の見直し)、(4)教員養成大学・学部、教職大学院の機能強化・高度化(多様化した教職員集団の中核となる教師を養成する教員養成大学・学部、教職大学院の教育内容・方法・組織の在り方、学生確保、教職への就職、現職教員の自律的な学びを支えるインセンティブの在り方)に落とし込んでいくことにしている。加えて(5)教師を支える環境整備(教師を支える環境整備、教師の学び等の振り返りを支援する仕組み)を審議する。文科省は令和4年度を目途に教員の勤務実態調査を行い、給特法等の法制的な枠組みを含め必要な検討を行うことにしている。


 一方、諮問事項(2)に関しては、第2次計画が令和3年度末で終了することから、東日本大震災の教訓及び近年の災害の激甚化を踏まえた防災教育の充実、防犯・交通安全についての充実方策、学校、家庭、地域、関係機関・団体との連携、新たな課題(SNSの普及、新たな危機事象)への対応、新型コロナウイルス感染症対策と安全対策の両立、そのほか安全教育、安全管理に関して教員養成段階で身に付けておくべきことや教員研修の在り方等を論点案としている。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞