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記事2021年12月3日 2563号 (1面) 
概算要求満額実現等へ私学振興全国大会を開催
中高連、日私小連、日私学保連が主催
感染防止に配慮し参加者数減らし実施

 日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長)、日本私立小学校連合会(重永睦夫会長)、日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(門傳英慈会長)の3団体は11月24日、東京都港区のメルパルクホールで与党・自由民主党の文教関係議員を招き、年末の令和4年度政府予算案編成に向け「令和3年度私学振興全国大会」を開催した。


 当日は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数がかなり低い水準にあったものの、感染拡大防止の観点から、私立小中学高校関係者や保護者ら参加者数を例年の半数以下の670人にまで絞り大会が実施された。


 一方、来賓としては、文部科学省から末松信介大臣が大会の開始時から終了時まで出席、参加者全員の総意で採択した「決議」を受け取った末松大臣は「しっかり受け止めて、努力をしたい」と語った。また自民党の国会議員は文部科学大臣経験者の塩谷立・衆議院議員や下村博文・衆議院議員ら本人19人が出席、加えて岸田文雄総理、林芳正外務大臣らの代理(秘書)23人も出席、そのほか4人の議員がメッセージ・祝電により参加した。


 大会は、中高連の下屋浩実副会長の開会の辞で始まり、主催者を代表して中高連の吉田会長があいさつを行い、「日本の教育のために私立学校にも支援すべきと考えた自民党の先生方が議員立法として私立学校振興助成法を作った。自民党の先生方が井戸を掘って、この補助金を作った。我々は頂いた貴重な私学助成財源を、保護者にご負担頂く学納金とともに、その100%を、120%、150%の効果になるように子供たちの教育に惜しまず努力させて頂く」などと子供たちの教育に今後も全力で取り組む決意を表明した。


 続いて日私学保連の門傳会長が主催者としてあいさつし、「我が国の将来を担う子供たちの教育を担う学校の教育環境の整備については公私間の格差をできるだけなくし、公私の別なく支援が受けられるようお願いしたい。今般、新規計上された私立小中学校の家計急変世帯への授業料減免支援の拡充とともに、より一層の保護者の経済的負担の軽減が図られるよう併せてお願いしたい」などと支援の充実を要請した。


 こうした私学関係者らの思いや要請に対してあいさつに立った末松文科大臣は「どうか質の高い建学の精神を持って、これからも日本の教育のために進んでいって頂きたい。私学助成についてはできるだけの努力はして参りたい。ガバナンスについてはいろいろな意見があるが、正しい決断をしていきたい」などと語った。


 続いて伊藤信太郎・自民党政務調査会長代理があいさつし、子供たちが安心して充実した学校生活が送れるよう尽力していく考えを表明した。


 その後、中高連の近藤彰郎副会長が「要請」を行い、目下、大きな懸案の学校法人のガバナンス改革における今回の制度設計には反対の考えを表明し、建学の精神が正しく受け継がれるか分からなくなることは私学の危機であり、国家の危機に繋がること、現体制をどう良くしていくかは大賛成だが、それが理念だけでは解消されないことがある。現実に沿った形で何を変えていくのか、しっかり見極めていただきたい」と語った。


 その後、塩谷立・衆議院議員があいさつ、続けて保護者の願いが保護者代表から読み上げられ、来賓として出席の山谷えり子・参議院議員に実現を託して手渡された。


 そのほか山谷えり子議員、有村治子・参議院議員があいさつ。最後に日私小連の重永会長の閉会の辞で大会が締め括られた。


11月24日の私学振興全国大会


末松文科大臣

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