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記事2020年4月3日 2506号 (1面) 
OECDがTALIS報告(第2巻)公表
教員事務的業務の多さががストレスに
校長は生徒の学力への責任が負担に


 OECD(経済協力開発機構)は3月23日、「国際教員指導環境調査」(TALIS)2018に関する報告書(第2巻)を公表した。教員および校長の勤務環境や学校の学習環境に焦点を当てた国際調査で、今回が3回目。日本は第2回から参加している。同調査報告書の第1巻は2019年6月19日に公表済みで、第2巻では、教員へのフィードバック、教員・校長のストレス等の項目に関する調査結果が公表された。調査参加国はOECD加盟国等48カ国・地域。日本からは中学校196校(うち私立は約12%)、小学校197校(同2%)、校長約400人、教員約6900人が参加した。 


 調査結果によると、わが国では、教員のストレスに関しては、「書類への記入など事務的な業務が多すぎること」が最も大きな要因(中学校52・5%、小学校61・9%)となっており、調査参加国平均(中学校、以下同様)46・1%を上回っていた。小学校は調査参加国数が少なく参加国平均はない。 


 また「保護者の懸念に対処すること」も2番目に大きなストレス要因(中学校43・5%、小学校47・6%)で参加国平均32・0%を上回っていた。それ以外の項目、例えば「採点業務が多すぎること」は参加国平均40・4%を大きく下回っており(中学校25・3%、小学校31・4%)、「多大な授業準備があること」や「特別な支援を要する児童生徒のために授業を適応させること」では、わが国の小学校の教員がストレスに感じる割合がわが国の中学校教員や参加国平均を上回っていた。


 一方、わが国の中学校の校長については「生徒の学力に対して責任を負っていること」をストレスに感じる割合(61・7%)が最も高く、以下、「保護者の懸念に対処すること」(54・6%)、「事務的な業務が多すぎること」(51・4%)が上位を占めたが、事務的業務の問題は参加国平均では65・5%がストレスに感じていた。またわが国と参加国平均で大きくストレスを感じる割合が異なったのが「特別な支援を要する児童生徒の環境を整えること」、「教職員の欠勤による追加的な業務があること」で、前者はわが国が参加国平均を大きく上回り、後者は参加国平均がわが国を大きく上回っている。


 教員の雇用形態に関しては、終身雇用がわが国の中学校で75・3%、小学校で77・5%、参加国平均の79・9%を下回る状況で、1年以下の有期雇用契約はわが国の中学校(18・2%)、小学校(16・9%)とも参加国平均(11・2%)を上回っており、2013年の前回調査と比べてわが国の教員の1年以下の有期雇用契約の割合は4・6ポイント上昇していた。今回の調査に参加したOECD諸国の3分の1の国々では1年未満の契約で教壇に立つ教員は教える能力にあまり自信がないとも回答している。


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