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記事2020年4月3日 2506号 (1面) 
わが国経済のV字回復へ デジタル・ニューディール推進
経済財政諮問会議を開催
遠隔教育の柔軟運用提言
デジタル教材の開発・導入を加速

 安倍総理は3月31日、総理官邸で令和2年度第3回経済財政諮問会議を開催した。新型コロナウイルスの感染拡大で大きく沈み込んでいる日本経済を再び確かな成長軌道へと押し上げるため、安倍総理が取りまとめを指示した「緊急経済対策」や、わが国経済のV字回復の起爆剤とする「デジタル・ニューディールの推進」について関係閣僚等と民間議員との間で議論が交わされた。


 このうち「デジタル・ニューディールの推進」については、同会議の4人の民間議員(竹森俊平・慶應義塾大学経済学部教授、中西宏明・株式会社日立製作所取締役会長兼執行役、新浪剛史・サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長、柳川範之・東京大学大学院経済学研究科教授)が政策提言を行った。 その中では、今回の危機を契機として国民生活や企業経営は、世界的にもデジタル化・リモート化を前提とした形に大きく行動変容していくと予測。当面の危機克服に向けた段階では、テレワークの抜本的充実、電話相談とオンライン診療による安全・安心確保とともに、遠隔教育の柔軟運用を提言している。遠隔教育の柔軟運用ではWiFi、4Gの活用を含め、タブレット端末を児童生徒が自宅に持ち帰って利活用することができるよう自治体に決断を促すべきだと指摘。


 また学校等が感染症の影響で遠隔教育を取り入れる場合でも出席と認める柔軟な運用を行うこと、大学や高校の遠隔授業・講義について、単位取得の障害となる単位上限ルール等を直ちに見直し、一刻も早いオンラインへの移行を可能とすることを求めた。


 続いて経済のV字回復につなげる段階では、遠隔教育等が緊急時のみならず、日常的に利活用でき、社会全体のデジタル化・リモート化促進につながるよう、今から制度改革および投資促進策を強力に進めるべきだと指摘した。北村誠吾・規制改革担当大臣からも、遠隔教育について工程表を取りまとめるなどしっかりとした議論を積み重ねてきたことを説明した上で、規制改革推進会議の小林喜光議長(株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長)と相談してタスクフォースを立ち上げて緊急を要するものから順次早急に結論を得るべく進めていく旨の発言があった。


 西村康稔・経済再生担当大臣も萩生田光一・文部科学大臣等関係大臣としっかり協議しながら北村大臣の規制改革への意気込みや取り組みをしっかりサポートしていきたいと語った。


 また、民間議員は子供1人1台端末を早期に実現するためには、現行5年の整備計画(GIGAスクール)の前倒し、PC等が行き渡るまでの間はスマホなど身近なツールも活用して登校できない子供たちの在宅学習にも活用できる形でのデジタル教材の開発・導入を加速。高校・大学を含め双方向型遠隔授業システムの導入を支援すべきだと訴えた。


 萩生田文科大臣は「ICTを活用した学びの保障について」と題する資料を説明、臨時休業中の子供たちの学びの保障としてICTを活用したきめ細かな学習支援を行った東京都渋谷区小・中学校や、町内全校で遠隔による学習支援を実現した熊本県高森町立高森中央小学校、同中学校等の実践例等を報告。初等中等教育段階ではハード面の整備、ICT活用のための人材の充実、家庭における通信ネットワークの整備が課題だとし、休業が長期化する事態に備えた検討も進める考えを明らかにした。また大学・高専に関しては、遠隔授業実施に当たってのQ&Aや先行事例などについて大学・高専への周知を図る予定だと説明。 


 さらに大学・高専に対しては3月24日付で、感染リスクを軽減する観点から面接授業に代えて、遠隔授業を行うことが考えられること、同時双方向型の遠隔授業を自宅において受講することが可能であること、遠隔授業の単位数は60単位が上限だが、主として対面授業により修得した単位と認める場合には、授業の一部を遠隔授業としても60単位への算入は不要なことなどを通知したことも説明している。


 現状では義務教育段階の遠隔教育は不登校児・病気療養児以外は出席扱いとはならない。高校は遠隔授業による単位取得は修了単位(74単位)のうち36単位までで、長期入院中については遠隔授業の単位上限が撤廃されている。


 大学は卒業単位(124単位)のうち60単位まで遠隔講義の単位取得が認められている。


 オンライン授業を受ける学生のWiFi環境や容量の限度も課題として出ていることを紹介、高市早苗・総務大臣とよく相談して前に進められる方策を考えて生きたいとの考えを示している。

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