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記事2020年12月23日 2531号 (1面) 
私学助成前年度比同額の4,094億円
令和3年度文科省予算案
経常費補助 私大等は微減して2975億円
私立高校等は微増して1019億円に

 政府は令和2年12月21日、令和3年度政府予算案を閣議決定した。このうち文部科学省予算の一般会計の総額は5兆2979億9700万円で前年度比0・2%のマイナス。ただしほぼ同時期に令和2年度第3次補正予算案として文科省では1兆1830億円を計上している。 (次号で詳報)


 このうち私学助成関係予算は総額4094億円で、前年度と比べ同額。内訳は、「私立大学等経常費補助」が2975億円(前年度比2億円減)、「私立高等学校等経常費助成費等補助」が1019億円(同2億円増)、「私立学校施設・設備の整備の推進」が100億円(前年度比同額)。


 私立大学等経常費補助の2975億円の内訳は、一般補助が前年度比13億円増の2756億円、特別補助が同15億円減の219億円。ただし特別補助では二つの新規事業が盛り込まれた。一つ目が私立大学等における数理・データサイエンス・AI教育の充実で、そうした教育を全ての学生が受けることができるよう、教材等の開発や全国への普及展開に資する大学等を支援する事業。予算額は7億円。もう一つが、新型コロナウイルス感染症等の拡大に対応した教育研究等に係る取り組みを支援する事業で、コロナ禍を踏まえた「新たな日常」に向けた教育研究・大学運営に取り組む大学等を支援するもの。予算額は11億円。


  一方、私立高等学校等経常費助成費等補助1019億円の内訳は、一般補助が860億円(前年度比6億円増)、特別補助が130億円(同3億円減)、特定教育方法支援事業が29億円(同1億円減)。一般補助では幼児児童生徒1人当たりの単価の増額を図る。特別補助では新型コロナウイルス感染症への対応として学習指導員等の追加的人材を配置する学校への支援等を充実する。新型コロナウイルス感染症の影響による家計急変世帯への授業料減免を支援。私立幼稚園での預かり保育推進事業に関しては、待機児童解消に向け、私立幼稚園の預かり保育を促進する観点から、(1)補助要件における開設時間や開設日数について、現行より多い日時数となるよう見直し、(2)実施時間に基づく補助単価について、長時間の預かり保育を実施する園へのインセンティブが働くよう、長時間実施園への傾斜を強化する。日本私学教育研究所への補助金は前年度と同額の2018万9千円。


 私立学校施設・設備の整備の推進100億円の内訳は、耐震化等の促進が48億円(前年度比1億円増)、教育・研究環境の整備が52億円(同1億円減)。このうち令和2年度までとなっていた耐震改築への補助制度が延長された。このほか日本私立学校振興・共済事業団による融資事業(貸付見込み額)は600億円。


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