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記事2020年12月13日 2530号 (2面) 
全国私学教育研究集会秋田大会開催
新しい時代のリーダーを育てる私学教育研究目標に
コロナ対策講じ秋田で開催

 一般財団法人日本私学教育研究所(吉田晋理事長、中川武夫所長)は10月22日と23日の2日間、秋田県秋田市内のホテルで「令和2年度全国私学教育研究集会秋田大会」を開催した。同大会は、新潟県・東北6県私立中学高等学校協会協議会、秋田県私立中学高等学校協会が実施し、秋田県、秋田市、日本私立中学高等学校連合会が後援した。「新しい時代のリーダーを育てる私学教育」を研究目標に掲げ、初日は開会式、秋田県私立高等学校の活動紹介、教育政策と私学情勢報告、記念講演等を行い、2日目は4部会(私学経営、教育課程、特色教育、グローバル教育)に分かれて終日、講演やワークショップ、パネル・ディスカッション、実践発表、研究協議等を通じて、参加者はこれからの私学教育のあり方についての研究を深めた。


 大会には全国の私立中学高等学校から334人の理事長、校長、教職員が参加した。新型コロナウイルス感染症が全国的に広がる中で、参加者のマスク着用・体温測定・消毒の徹底、発言者ごとにマイクや演台に設置した飛沫防止用透明パネルの交換・消毒、開催県の私立高校生の学校活動紹介をビデオ上映に切り替えるなど、徹底した感染防止策が講じられた。


 初日の開会式では江畠治彦・副実行委員長の開会のことばに続いて吉田晋・理事長が主催者を代表してあいさつし、新型コロナウイルス感染症の陽性者を出さないよう、さまざまな対策を講じたこと、秋田県内の私立高等学校の数多くの先生方が大会の準備・参加をして頂いたことに感謝の意を述べ、また、コロナ禍の中でも子供の学力保証に全力で取り組んでいる私立中学高等学校の奮闘を来賓の秋田県副知事、秋田市長にアピールした。


 その後、松良千廣・実行委員長があいさつし、「秋田県内の私立高等学校は5校と少ない中で、秋田県の私学の皆さんには本当に頑張って頂いた」と改めて感謝のことばを述べ、また、参加者には「マスクやフェースシールドで感染防止対策を行いながらの研修だが、是非、実りある大会になるよう一緒に作り上げていこう」と呼びかけた。開会式では佐竹敬久・秋田県知事が公務のため川原誠・秋田県副知事が出席し、「Society5・0時代の波がますます来ると思われる。私立学校それぞれの建学の精神に基づいた、新たな社会をけん引する人材の育成に大いに期待している」と祝辞を述べた。また穂積志・秋田市長は、「秋田市で全国的な大会が開かれるのは今年2月以来初めてで、緊張しながらも喜んでいる。私立学校が努力されていることはよく理解している。行政としても(私立学校に)寄り添いながらさまざまな援助ができるように共同して頑張っていきたい」と述べた。


 開会式の後半には令和3年度全国私学教育研究集会京都大会の案内が行われた。摺河祐彦・同大会実行委員長が、「京都大会は令和3年10月21日・22日に開催を予定している。初日の開会式や全体会は京都市の国立京都国際会館で、2日目の部会は二つのホテルで分散開催する計画で、研究目標は「世界を見つめ、未来に挑戦〜私学の先進的精神は時代を超えて〜」とし、記念講演は藤原定家の流れをくむ冷泉貴実子先生にお願いしている。定員は600名であり、多くの参加者を迎えたい」と述べた。最後に折原順悦・運営総括委員長の閉式のことばで開会式を締め括った。


 開会式終了後には県内の私立高等学校5校の吹奏楽部・合唱部による、秋田県民歌などの合同演奏がビデオ上映された。


 続いて吉田晋・日本私立中学高等学校連合会長が「教育政策と私学情勢」と題して報告した。吉田会長は、文部科学省の予算編成や教育改革等に先頭に立ってさまざまな主張や要望、交渉等を行っている。報告の中で、「私立高等学校等経常費助成費等補助」・「私立学校施設・設備の整備の推進」の今年度予算及び令和3年度の予算要望、GIGAスクール構想の問題、オンライン授業、大学入学共通テストや今後の動向・問題、高等学校普通科改革の問題、公立学校の私学化、高等学校通信制教育の質保証、「令和の日本型学校教育」についてなど、現在、私立学校を取り巻く様々な状況、問題について語り、「私立学校はこれまでも、新しい時代のリーダーを育ててきた。21世紀を担う子どもたちを育てるのは我々だ。私立学校を守るためには皆様のご協力が必要」と述べ、参加者に一層の結束を要請した。


 引き続いて、中川武夫・日本私学教育研究所所長が、コロナ禍、ICT教育、働き方改革、入試問題と著作権など私立中学高等学校を取り巻く複数の課題を取り上げ、研究所がそのような課題に対応して「イノベーション教育(グローバル・ICT活用)研究部会」や「次世代リーダー育成部会」など各種研修会をタイムリーに開催していることを説明。私立学校のシンクタンクを目指す研究所のホームページを有効活用してほしい、と参加者に呼びかけた。


 初日の最後には公立大学法人国際教養大学の鈴木典比古理事長・学長が「2500年を越えるリベラルアーツ教育〜『個』の確立と私学の使命〜」と題して、記念講演を行った。記念講演は同大学の学外活動の自粛により、オンラインにて行った。


 2日目の4部会のうち私学経営部会、特色教育部会については近く詳報の予定。



開会式で主催者としてあいさつする吉田晋・日私教研理事長

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