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記事2020年11月13日 2527号 (2面) 
第16回大学入試のあり方検討会議開催
大学入試における英語4技能評価等の実態調査結果を報告
私大連盟の芝井常務理事が「意見」を発表
整理しておくべき事項改訂

 文部科学省の「大学入試のあり方に関する検討会議」(座長=三島良直・日本医療研究開発機構理事長)の第16回会議が10月27日、WEB会議方式で開催された。この日の議題は、(1)整理しておくべき事項について(前回の意見を踏まえて)(2)大学入学者選抜における英語4技能評価および記述式問題の実態調査の結果(学部別調査関係)(3)団体代表委員からの意見発表(発表者=一般社団法人日本私立大学連盟常務理事の芝井敬司・関西大学理事長)(4)自由討議。  


このうち(1)の整理しておくべき事項は、川嶋太津夫座長代理(大阪大学高等教育・入試研究開発センタ長、特任教授・常勤)がメモとしてまとめたもので、前回の意見を反映して一部を改訂した。変更点は、アドミッションオフィスの体制が不十分なことや、個別選抜で測定すべき資質・能力に関しては、各大学がアドミッション・ポリシーに基づき責任を持って選抜を行うことを基本とした上で、共通テストで測りにくい資質・能力に重点を置く方向で改革(自前主義に拘泥せず、共通テストや外部検定試験で代用できる評価を活用し、個別での試験は真に必要な内容に精選)とし、取りまとめに当たっては国公私を分けた議論も必要と指摘した点など。  


(2)は今年7月から9月にかけ全大学771校を対象に実施した調査で回収数は699大学。今回、明らかになったのは調査項目のうち、英語のスピーキング、ライティングの評価方法への意見や記述式問題への意見など一部。それによると、「大学入学共通テストの枠組みで英語資格・検定試験を活用して評価すべき」との設問を肯定(「とてもそう思う」+「そう思う」)したのは32・0%、英語4技能のうち話す、書く能力について「大学入学共通テストに出題して評価すべき」を肯定した意見も32・3%にとどまった。一方で両技能については「大学入学後の教育において各大学が独自に評価すべき」を肯定した割合は76・7%に上り、八つの選択肢の中で最も肯定率が高かった。  


(3)では、芝井委員は、基礎学力の確認という点を重視すると、基礎的な知識・技能を確認する出題を含める、あるいは高校の基礎学力を習得したか否かを確認できる新たなテストの開発を要請。また学部単位の厳格な定員管理が補欠合格、追加合格につながり、受験生の精神的負担感を高めているなどと指摘した。  


(4)の自由討議では、「議論の守備範囲が分からない」「(実態調査によると)英語4技能の実施を大学は考えていない。これではまた同じことの繰り返しになる」「国公私で分けた議論をするより、高校生の目線に立ったまとめが必要」といった意見が聞かれた。

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