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記事2020年10月3日 2523号 (2面) 
第4回質保証システム部会開く
公私立短大からヒアリング
今後の議論の進め方でも意見交換


 中央教育審議会大学分科会の質保証システム部会(部会長=吉岡知哉・日本学生支援機構理事長)の第4回会合が9月28日、WEB会議方式で開催され、ライブ配信された。  


この日は公私立短期大学からのヒアリング、また今後の議論の進め方(案)が提示され意見交換が行われた。  


ヒアリングでは、最初に全国公立短期大学協会の村井美代子副会長(三重短期大学長)が意見発表を行った。その中で、認証評価への要望として記載が画一的な記述になりがちの上、評価項目が細かく設定されているため記述が重複する、記述を絞り込み短大の特色が反映されるような評価項目を設定してほしいとしたほか、認証評価にかかる費用が負担になっているとして負担軽減を要望した。また、危機管理の観点からの内部質保証の必要性や、リカレント教育と地域貢献についての質保証の検討が必要ではないかとした。  


このほか、オンライン授業の課題として、(1)質保証、(2)情報環境整備特に短期大学では経済的に厳しい学生が多くそうした学生の情報環境整備、(3)コロナ禍で前期はオンライン授業だったが、今後対面授業とのハイブリッドになるだろうが、その中で質保証が必要だなどと述べた。  


日本私立短期大学協会からは川並弘純常任理事(聖徳大学短期大学部理事長・学長)が意見発表し、中教審のグランドデザイン答申でも大学制度における短期大学の位置付けの再構築が提言されているなどとして、三つの要望を行った。一つはグローバル化・国際通用性の観点からの短期大学の名称変更で、例えば大学〔前期課程〕、大学〔2年制・3年制〕とするなど。二つ目は短期大学の学位の名称変更で、現在の短期大学士は国際通用性がなく、例えば准学士とするなど。三つ目は短期大学の専攻科の学士の学位授与機関化で、現状、学位授与機構の審査に合格しなければならず学生に負担となっている、専攻科を例えば学術専攻課程(仮称)等とし、これを修了した者には学位を授与できるようにする、またその認定には認証評価機関を活用できるよう検討してほしいとした。  


認証評価についても、短期大学は小規模のため大きな負担となっており負担の軽減と、認証評価結果によっては期間を最長10年まで延長できるよう検討してほしいとした。  


このほか、コロナ禍もありオンライン授業で取得できる単位の上限の緩和、情報環境の社会的基盤の整備、学校教育法第1条が定める学校種以外からの1条校に定める高等教育機関への転入学の質保証を議論し、国際通用性のある体系を整えてほしいなどと述べた。  


ヒアリングの後は、今後の議論の進め方(案)が提示され、吉岡部会長案では着目する観点として、(1)どのような大学であれば質が保証されている大学と言えるか、(2)設置基準・設置認可審査の在り方、(3)内部質保証と認証評価制度の見直しについて、(4)情報公開の在り方、(5)定員管理、(6)質保証を支える人材の育成、(7)オンライン教育等の質保証の在り方、(8)その他質保証システムの見直しに係る重要な論点についてを挙げた。  


また事務局案では具体的な論点が示された。その中で挙げられた論点は、質が保証されている大学については国が保証すべき質の範囲、高等教育の質保証の観点、学修成果による質保証の方策、大学が自己改善するための質保証システムの在り方、事前・事後チェックの仕組み。大学設置基準・設置認可審査に関しては設置基準の見直しの観点、設置認可審査の役割と審査の観点。認証評価に関しては内部質保証を確認するための観点、学修成果を確認するための内部質保証の仕組み、受審の弾力化・効率化を含むインセンティブ、不適合となった場合の事後措置、一般からも分かりやすい認証評価、認証評価機関の質保証。情報公開の在り方については大学ポートレートの現状と役割、公表すべき情報の項目・一覧化。定員管理については設置基準・設置認可審査・認証評価における定員管理、交付金や補助金に関し、今日的な役割・目的について、入学定員から収容定員へ、大学単位、複数年度単位への見直し、その際の教員数や学修環境確保の観点。質保証を支える人材の育成については職員の育成や位置付け。オンライン教育などの質保証に関しては見直すべき設置基準・認証評価上の観点。その他として学位の分野の名称について。


委員からは「一番のポイントは学生の学びの質が保証されているかだ」「質保証は設置基準で見るか、認証評価で見るか、いずれにしても一つ一つ具体的なチェックが必要ではないか」「学生の立場で考えてみたが、オンラインで他大学の授業を自由に受けて単位が取れ、その授業のレベルが外から見て測れるといい」「ゴールは設置基準の見直しだと思う。ただ設置基準は最低基準であり、多様化・柔軟化のために緩和しようとしているが、日本の大学の将来を考えると質の良い大学を支援する仕組みが必要だ」「組織間連携や大学間連携では、質保証は誰がみるのか」「オンライン教育の分析と面接教育との擦り合わせが必要だ。大学の機能は授業だけではなく、集まる場、所属の場でもある」「日本は海外大学と単位互換する場合のインフラができていない、インフラを議論すべきだ」などの意見が出された。


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