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記事2020年10月13日 2524号 (1面) 
萩生田大臣 高校の1人1台端末整備に言及
学科等で必要なスペック異なる
令和3年度に中身等整理したい

 萩生田光一・文部科学大臣は10月9日の文科省での記者会見で「小・中学校1人1台(情報)端末の環境が高校につながらないのはならないと思っている。高校についても1人1台端末の環境を整えていくべきで、公立については地財措置を有効活用して整備していくのも一つの案。私立高校では入学時に必要な学校備品として購入を求めている実態もある。ただ経済的に困難なご家庭のお子さんが公立学校に行くのに学校で求められた端末を持てないことで授業に参加できない、家に持って帰れないというのは望ましいことではない。そこは国として丁寧な支援策を講じていきたい」と語った。  


その上で、高校で整備するパソコンについては学科等によってスペックが異なってくるとして、(小・中学校のように)単一の単価で上限を決めての補助では授業に活用できないので、例えば工業系の学科で図面を引くなどの場合は、1教室分だけスペックの高いものを用意した方がいいと語り、どう整備するかについては、「都道府県、私学の皆さんと、その学校にあったもので、国としてどういった応援ができるかていねいに検討していきたい」との考えを示した。  


また高校での情報端末整備の時期については、「学校群によって整備するパソコンの容量や中身が全く違うので来年度はそうしたことを一回整理してみたい」と語った。


また萩生田大臣は、10月2日、教育のデジタル化などについて、平井デジタル改革担当大臣、河野規制改革担当大臣と意見交換を行い、その中では平井大臣から義務教育段階での遠隔授業を授業日数に含めてはどうかとの意見が出されたことなどを報告。萩生田大臣は1人1台端末が整備された後はデジタル化について柔軟にチャレンジしていく考えを明らかにしつつも、「一番心配しているのは学校に来なくてもいい世の中をつくること。オンラインの授業はあくまで授業の一部を代替するだけ。それをもって学校教育が完結するわけではない。対面や集団で、学校の中でいろいろなことを経験しながら子供たちは育っていく。現時点ではそうした乱暴な代替策は考えてほしくないと両大臣にも伝えたところ」などと語った。


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