こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2019年12月3日号二ュース >> VIEW

記事2019年12月3日 2495号 (1面) 
新時代の初等中等教育の在り方特別部会開催
論点取りまとめ素案を議論
児童生徒1人1台パソコン整備も記載へ

 


中央教育審議会初等中等教育分科会の「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」(部会長荒瀬克己・大谷大学文学部教授)は11月21日、文部科学省内で第5回会合を開いた。同部会が12月13日の初中分科会に報告する「これまでの審議を踏まえた論点取りまとめ(素案)」の仕上げの議論を行った。  取りまとめでは冒頭に「新しい時代を見据えた学校教育の姿(イメージ)」が示されている。 「子供の学び」の項目では、児童生徒に1人1台ずつコンピューター端末を整備することや、貧困や虐待などの課題が早期に発見され、加えて外国出身など社会的少数者としての課題を有する児童生徒も含めた全ての子供が安全・安心に学ぶことができるようにすることを記載。続く「子供の学びを支える環境」では、変化に柔軟に対応できる質の高い教師集団の実現や、発達段階に応じて学級担任制と教科担任制を効果的に実施することなどが記されている。  こうした教育の実現のため、ICTや先端技術の効果的な活用、教科担任制の在り方、教育課程の在り方、教師の在り方、高校教育の在り方、幼児教育の質向上、外国人児童生徒への教育の在り方、特別支援教育の在り方の各事項については、特に検討を深め、その際にはこれまでにとらわれない新しい時代の学びの在り方も見据えて検討することが必要だと定め、その後に各事項の論点を記載している。  そのうちICT・先端技術の効果的な活用に関しては、今会合の冒頭、前週に行われた経済財政諮問会議(11月13日、第11回)において学校のICT化は急務であることが示され、安倍晋三総理大臣からも1人1台のパソコン配備を国家意思として進めるとの発言があったことが話された。中教審でもICT・先端技術を活用した教育について見解を示すことが急務であるとして、委員からの意見発表はこの分野から行うこととなった。  委員からは「国家プロジェクトとして掲げる以上、遠隔地などネットワークが整備されていない地域に配慮し、セキュリティー面や導入・調達における公正性にも配慮してほしい」、「(ICT・先端技術の論点の記述に)『キーボードによる文字の入力が必要』とあるが、現時点ではタブレット端末なども活用されており、キーボード付きのパソコンだけ導入される懸念もあるので『タッチパネル』という文言も加えてほしい」との提案があった。また後半ではICT関連以外の意見が述べられ、「デジタルで全て完結することを目指すとは思わない。職業体験なども含め現場の人たちと連携することが優秀な人材確保のためにも重要だ」、「教科担任制について、現状は専門性を担保するという観点が抜けているように感じる。教科にとどまらない専門性をどう分担し合っていくかを検討することが必要になってくるだろう」などが挙がった。



 

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞