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記事2019年1月23日 2465号 (1面) 
デジタル教科書の使用など議論
中央教育審議会初等中等教育分科会

中央教育審議会の初等中等教育分科会(分科会長=小川正人・放送大学教養学部教授)は1月18日、東京・平河町の都道府県会館で第120回会合を開いた。学校における働き方改革、デジタル教科書の制度化などを議題とした。  働き方改革に関しては、同分科会の下の特別部会がまとめた答申案および勤務時間ガイドラインについて議論された。委員からは「学校の大変さを伝えることを重視し過ぎている。前向きなメッセージも必要だ」との声もあったが、答申案自体への反対はなく、分科会として承認した。今後の展望については、家庭教育や社会教育との連携を重視したい、とする意見などがあった。また、2019年度予算案も併せて取り上げられ、小学校の専科指導の充実などのために千人以上の定数増が図られることや、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充などについて説明があった。  続いての議題はデジタル教科書の制度化について。児童・生徒用のデジタル教科書(教科書の内容を記録した電磁的記録である教材)は平成31年度から正式な教科書として使用可能になる。ただし全面的に使用できるわけではなく、主は紙の教科書であり、「デジタル教科書を使用する授業は、各教科等の授業時数の2分の1に満たないこと」との基準が設けられている。委員からはこの基準の理由について質問があり、文部科学省の担当者は「現段階ではデジタル教科書の効果や影響についていまだ検証が不十分であるため、一部の使用にとどめている」と回答した。他の委員からは「今後とも紙の教科書をベースとしてほしい」との声もあった。  デジタル教科書の使用にはICT環境や使用機器も深く関わっている。委員からはそこの踏み込みが不十分では、との意見があった。例えば健康保護の観点での配慮について、告示は使用時の「採光・照明」に配慮を求める一方、機器による差などには触れていない。これについて文科省の担当者は「今回の法改正や告示はデジタル教科書についてであり、ICT全般については別の形でまとめられるだろう」と説明した。委員からは他に「ICT環境の整備状況には学校ごとの格差がある。児童生徒一人一人に端末が行き渡らないケースも考慮すべきだ」との意見などがあった。

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