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全私学新聞

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記事2017年8月13日 2417号 (1面) 
国公私立間格差是正を
私学団体 関係予算拡充等を要望
私費負担依存からの脱却を 新しい教育への対応に支援も

全私学連合(代表=鎌田薫・早稲田大学総長)は8月2日、文部科学省に「平成30年度私立学校関係政府予算に関する要望」と「平成30年度私立学校関係税制改正に関する要望」を提出した。予算要望では、大学から幼稚園に至るまでの重点的な要望等と日本私立学校振興・共済事業団の充実に関する要望を列挙、税制改正要望では学校法人に対する寄附促進のための措置の創設・拡充など4項目の要望を掲げている。同連合は、日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会、日本私立中学高等学校連合会、日本私立小学校連合会、全日本私立幼稚園連合会で組織している。


このうち大学関係要望では、大学進学の機会均等と私立大学の自主的・自律的で多様な教育研究事業の推進のために、(1)高等教育に対する公財政支出の低位性の改善(2)私費負担依存からの脱却並びに大学進学の機会均等の実現(3)不合理な国私間格差の是正(4)私立大学等経常費補助金の目的に再確認を基本的な考え方に定めている。その上で具体的には初めに公財政支出による経常的経費の2分の1補助の実現、専門職大学に対する現行の私学助成とは別建てによる助成制度の創設、私立大学学生に対する授業料減免制度の拡充・創設等を要望。基本的な考えを実現するための公財政支出の考え方として、現行よりも約7100億円増の方策、また約6300億円増の方策、国立大学運営費から私大等経常費補助金への約2650億円の増額等を提案。さらに教育の質的転換を図る取り組みへの支援や教育施設整備に係る支援の充実も要望している。  また、地方創生に関しては、地方の活性化に貢献する人材の育成のための支援の拡充、内閣府の地方創生推進交付金による積極的な支援を、また、科学技術イノベーションの基盤的な力の強化に向けた支援に関しては、世界をリードする質の高い大学院教育のための重点的支援、科研費の拡充と早期の全種目完全基金化等を要望。そのほかスポーツ、安全・安心な教育研究環境の実現等を求めている。  私立高校等関係では、国の進める「新しい教育」に対応する教育環境の整備には莫大な経費が必要となり、授業料等の増額が難しい中で公的支援の拡充しか方策はなく、30年度の補助金の概算要求に関係しては、経常費助成費等に対する補助の拡充、ICT環境の整備に対する補助の拡大強化、私立高等学校施設の耐震化に対する補助の拡充強化を要望。また、高等学校等就学支援金制度の拡充強化(私立高校の授業料平均額39万3524円を上限額として支援するよう制度強化)を要望。加えて私立中学校等の生徒への就学支援金制度の拡充強化(支援金額の引き上げ)、日本私学教育研究所研究事業費等に対する補助の拡充強化等を要望。  私立小学校関係では、経常費助成等に対する補助の拡充強化、施設設備の耐震化事業、安全対策費等に対する補助の拡充強化、私立小・中学校の児童・生徒への公的支援制度の定着と拡充、教員の資質能力向上等のための補助金の拡充強化を求めている。  私立幼稚園関係では、経常費補助制度の拡充等、私立幼稚園施設整備費補助制度の充実、幼稚園就園奨励費補助制度の拡充、子ども子育て支援新制度の拡充、質の高い人材の確保、子育ての支援充実、被災した子どもや家族の心のケアの担い手に対する支援、学校法人立以外の幼稚園に対する特別補助制度の創設を求めている。私学事業団に関しては、事業目的達成のため、所要の財政融資資金の確保、私立学校施設の耐震化事業に対する利子助成制度の継続・拡充等を要望。関連して私学研修福祉会の研修事業の充実に関する要望もしている。  一方、税制改正要望として学校法人に対する寄附促進のための措置の拡充、教育費に係る経済的負担軽減のための措置の創設・拡充を、学校法人の健全な財政基盤の確立に向けた優遇税制の創設・拡充等を要望している。

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