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記事2017年11月23日 2426号 (1面) 
私学関係 概算要求の満額実現を
中高連 日私小連 日私学保連 私学振興全国大会を開催
国庫補助金の拡充重要
教育のICT化へ支援拡大を

日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長=富士見丘中学高校理事長・校長)、日本私立小学校連合会(小泉清裕会長=昭和女子大学附属昭和小学校長)、日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(中村良彦会長)は11月21日、東京・芝公園のメルパルクホールで平成29年度の「私学振興全国大会」を開催した。与党・自由民主党の文教関係議員に平成30年度私学関係概算要求の満額実現を要請するため開催した大会で、当日は1600人を超える私学関係者、保護者が出席した。


この日は同時刻に衆議院で本会議が開かれたため、衆議院議員の全国大会への出席はかなわず、来賓としては参議院議員の出席のみとなった。  大会では初めに、中村道郎・中高連副会長が開会の辞として、「私学振興こそがわが国公教育のさらなる発展に道を拓(ひら)くもの。ご臨席の国会議員の先生方にもぜひ、私学関係者、保護者の願いを受け止めていただきたい」と私学振興への応援を要請。  続いて主催者を代表して吉田・中高連会長が、「現在、安倍内閣の政策の柱の一つとして、教育再生や人づくり革命が掲げられ、さらなる国民の資質向上に向けての教育改革が進められているが、各校の教育現場では改革を実現するため新しい教育にいかに転換していくかが課題となっており、ICT化の施設設備の充実が急務で、生徒の安心・安全を守るため施設の耐震化が喫緊の課題となっている。しかし莫大(ばくだい)な経費を要することであり、各校とも財政的には限界がある上、今なお公私間の(保護者)負担格差が是正されていない。授業料の値上げもできる状況ではない」と訴え、直接助成の充実とともに、私立学校振興助成法に基づく、国庫補助金・私学助成が必要だと指摘。また、次代を担う子どもたちをグローバル人材に育成、世界の潮流に乗り遅れないためには、教育のICT化が待ったなしの状況で、そのための経費は、教育のための共通基盤との観点から、国による教科書無償化と同様の全額支援を切望した。  また、主催団体の日私学保連の中村会長は、「先日、安倍総理は消費税率アップに伴い、私立学校の無償化を語っている。大いに期待したい。私たち保護者は大きな夢を持っている子供たちのためこの運動をしっかり行っていくことが重要。国会議員の先生方には子供たちに温かいご支援をお願いしたい」と語った。  さらに中高連の近藤彰郎副会長が「要請」として、「保護者に対する補助と学校に対する補助がバランスよく行われることが大切で、私立学校は自主性・独自性に満ちあふれている。これを高めるためにお金を頂いている。その浄財をもってわれわれは、未来の子供たちのために努力をしていこうと思っている。ぜひそういう気持ちで今年の要望を国会議員の先生方に受け止めていただきたい。われわれは現場を守ります、教育を守ります。日本のための教育をしていきます。これをお誓いして要請とさせていただきたい」と語った。  続けて、保護者を代表して千葉県の中島由香里さんが「保護者の願い」を読み上げ、子供を育てるのは、まずは私たち保護者の責任とした上で、子供たちの能力や希望に応じて、自ら選択した学校でより良い教育を受けられるよう環境を整備するのは、学校と保護者と国の責任だと考えていると語り、国による経常費助成の充実、耐震化をはじめとする施設・設備への支援についても国公立学校と区別なく早急な対応を要望。高等学校就学支援金や私立小・中学校等の児童生徒への一層の経済的支援の拡充も要請した。「保護者の願い」はその場で山谷えり子・参議院議員に手渡された。その後、私立学校振興助成法の目的に基づき、所要の補助金等やICT環境整備促進のための補助金等、耐震化早期完了のための補助金等の大幅な拡充、私立小・中・高校就学支援金制度の拡充を柱とする決議案を日私学保連の山本幸男副会長から読み上げられ全会一致で採択、決議はその場で、新妻秀規・文部科学大臣政務官(参議院議員)に手渡された。最後に日本私立小学校連合会の小泉会長が「私学教育の発展は日本の公教育の充実のためなくてはならないもの。今後の私学のさらなる発展をお誓いしたい」と語り、約1時間にわたる大会を締めくくった。

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