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記事2016年9月3日 2384号 (1面) 
文科省、高大接続改革の進捗状況公表
高校基礎学力テスト来年度、3万人で試行
英語は民間依存高まる?

文部科学省は8月31日、高大接続改革の進捗状況を公表した。今年3月31日、文部科学省の「高大接続システム改革会議」の最終報告を踏まえて、同省が設置した検討・準備グループ等(非公開)で進めている「高等学校基礎学力テスト(仮称)」や「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の実施方針、当面の検討課題を巡る検討状況を明らかにしたもの。  それによると、「高校基礎学力テスト」に関しては、検討・準備グループ(主査=荒瀬克己・大谷大学文学部教授、9人の委員で構成)を6月以降2回開催、そのほか同省は委員と個別に連絡・調整を行っている。今後は高校や教委関係者、民間事業者等の意見も聴取する。今年度中には民間事業者に委託(公募)して具体的な問題例(CBTによる出題を含め)を作成、基礎学力の定着に取り組む実践研究校(12校)の協力を得て来年1、2月に試行的に調査を行う予定。約5千人の生徒が調査を受ける。  高校基礎学力テストの実施時期は平成31年度試行実施、同35年度実施の予定で、テストの名称は診断、検定、検査といったものになる。当面は紙による実施となるが、大学入試センターを改組した新センターが直接行うか、新センター統括・関与の下、民間が問題を作成し行うか両案を検討する。平成29年度には実現可能性を確認するため、プレテストを行う予算を概算要求している。約3万人の高校生が受験する予定。  一方、大学入学希望者学力評価テストに関しては、検討・準備グループ(主査=岡本和夫・独立行政法人大学改革支援・学位授与機構理事、9人の委員で構成)、記述式の作問方法検討チーム(7人の大学教員で構成)、記述式の採点方法検討チーム(6人の大学教員で構成)で、それぞれ2、3回の会合が持たれ、新たに導入する予定の記述式問題で評価すべき能力や作問の構造、採点方法・採点体制等を検討している。現在は、(1)記述式問題を1月に実施、センターが採点、(2)12月に実施し、センターが採点(マークシート式と同一日程か否か)、(3)1月に実施、センターがデータ処理、それを踏まえて各大学が採点―との三つの案が検討されている。  英語に関しては、民間の資格・検定試験を積極的に活用、将来的には資格・検討試験のみにより英語の4技能評価を目指す、などを検討中。マークシート式問題についても思考力・判断力を一層重視した作問に改善する。そのほか出題科目数の簡素化、複数回実施、CBT導入等を検討していく。29年度には試行テストを実施する予定。29年度は5万人規模のプレテストとなる。  そのほか大学入学者選抜方法の改善に関する協議において調査書や提出書類等の改善、「AO入試」「推薦入試」「一般入試」の在り方についても検討中。

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