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記事2016年3月23日 2369号 (1面) 
実践的な職業教育を行う 新高等教育機関特別部会
審議経過報告」まとめる 今後は団体ヒアリング等を実施

中央教育審議会の「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会」(部会長=永田恭介・筑波大学長)は3月15日、文部科学省内で第12回会合を開いた。この日の議論を経て審議経過報告が完成に至り、18日の大学分科会で報告された。今後はパブリックコメントで広く意見を募り、さらに各種団体からのヒアリングを実施する予定。  審議経過報告は「社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関の制度化について」と題し、職業人養成の現状と課題を整理した上で、新高等教育機関の制度化の方向性や具体的な制度設計を示している。  審議報告は職業人養成について、「専門分野における高度で実践的な専門性」と「専門の中で閉じることなく、変化に対応する能力や、生涯にわたり学び続けるための力」を備えた人材が今後求められる、との現状認識に立って、「職業実践知の教育に軸を置きつつ、学術知の教育にまで至る、実践的な職業教育に最適化した高等教育機関」の創設が効果的と考えられる、としている。産業界・地域等との連携を重視し、教育課程の編成等について連携体制の整備を義務とするほか、学生のインターンシップへの参加、実務家教員の受け入れなども積極的に行う。修業年限は社会人の学び直しなども考慮し、4年制(前期・後期の区分制課程を含む)、2年または3年制と複数導入。大学体系に位置付けられ、修了者には学士相当または短期大学士相当の学位を授与する。ただしこれは、現行の短期大学士の学位、準学士の称号との関係に留意して検討する必要がある、としている。情報の公表や認証評価も大学等と同様に義務付けられるが、校舎面積などについては小規模な基準の整備も検討される。設置に関しては、既存の大学・短大が「一部の学部や学科を転換させる等により、新たな機関を併設することも可能とする必要がある」とする。  この日の議論では「実務家教員のことが書かれているが、教員だけでなく職員についてもどのような人材が必要かの規定が必要では」「結果が重視される教育機関であるべきで、過去の制度にとらわれない方がいい」「インターンシップについては現場を知ることの価値の再定義がほしい」などの意見が委員から出たが、大きな反対はなく、細かな修正を座長一任としてこの審議報告を了承した。

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