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記事2016年2月13日 2365号 (1面) 
新高等教育機関特別部会 審議経過報告の素案検討
大学等との違いで大幅に加筆

中央教育審議会の「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会」(部会長=永田恭介・筑波大学長)は2月12日、文部科学省内で第10回会合を開いた。前回の議論や先日の中教審総会で出た意見などを反映して、審議経過報告は骨子案から素案の段階に進んだ。  基本は骨子案から大きく変わらないが、既存の大学等との違いに関しては大幅に加筆。新たに図表も用意された。大学は学術知に基づく研究を、専門学校は職業実践知に基づく教育を行うのに対して、新機関は「両面に基づく教育に最適化した」ものと位置付けている。図表では「大学・短大の特徴」と「専門学校の特徴」を箇条書きに整理。「新たな高等教育機関」はその双方の強みを持つことを、項目を挙げて表す。差別化としては、教員の研究業績を重視する大学に対して「実務経験・能力+研究能力のある教員を一定割合以上配置」すること、専門学校も産業界と連携しているが新機関は連携体制の構築を義務とすることなどを挙げている。  これについて委員からは「この新機関の需要がどこにあるのか不明瞭なままだ」「結局は大学の下にみられるのではないか。ここで養成するような人材は大企業にも求められている旨をはっきり示してほしい」「実践的な職業教育の社会的な価値を高めていくことが望まれるとあるが、ここに書くべきは『どうやって価値を高めるか』の具体策だろう」「産業界は変化に対応できる人材を求めている。その養成の点で質保証があればそこから人を採ることになるだろう」などの意見が出た。前回の骨子案に加筆された要素は他に、地方創生の側面がある。産業界に加えて、地域のニーズ把握や地域との連携推進を強調。新機関によって「地域産業を担う人材が地元で育ち、地元に定着」し、「地域の強みを生かした事業を展開する」との見通しを立てて、その必要性を訴えている。  委員からは他に「今後の社会で人はどう働くのか、かみ砕いた表現で書いてほしい」「海外からの学生の受け入れ方も本格的に考えるべき」「質保証は認証評価までにせず、その後の改善まで含めたサイクルの明確化を図るべき」などの意見が出た。

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