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記事2015年9月3日 2350号 (1面) 
新しい時代と社会に開かれた教育課程に
学校段階ごとの部会等設置へ

 中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会(無藤隆部会長=白梅学園大学教授)は、8月26日、同部会の下で次期学習指導要領等の基本的な在り方等を検討している教育課程企画特別部会(羽入佐和子主査=国立研究開発法人理化学研究所理事)が8月20日にまとめた「論点整理案」を審議、了承した。

 次期学習指導要領の基本的な在り方が決まったことから、秋から審議を始める、小学校や高校といった学校段階ごとの五つの部会や、「理科」「外国語」「芸術」「産業教育」といった教科別の13のワーキンググループ、各教科等の垣根を越えて重視している「言語能力向上」、新設する「高校の数学・理科にわたる探究的科目」等に関する三つの特別チーム、今回の改訂の鍵を握る「総則・評価特別部会」、以上を合わせて22の部会等の設置も決めた。中教審は次期学習指導要領等に関する答申を平成28年度中にまとめる予定にしている。

 今回の論点整理は、新しい時代と社会に開かれた教育課程とすること、教育課程全体や各教科等の学びを通じて、「何ができるようになるのか」の観点から育成すべき資質・能力を整理し、その上で必要な指導内容等を検討、内容等について「どのように学ぶか」を示したこと、カリキュラムマネジメントを重視したことなどが特徴。具体的には、小学校に関しては、小学校高学年で教科型の英語教育(4技能を行う)を行い、授業時数については現行の倍の年間70単位時間とし、中学年では「聞く」「話す」を中心とした英語活動を行う(年間35単位時間)ことにしている。時間数の増加分の確保のためにはモジュール学習実施の可能性も含め、教育課程全体を見通した検討を行い、平成27年度内から28年度当初に結論を出すことにしている。中学校に関しては教科間の関係性を可視化していくことが必要などとしている。

 高校に関しては、共通性の確保と多様性への対応を軸に検討することにしており、近現代における、歴史の転換等を捉えた学習を中心とする「歴史総合」、持続可能な社会づくりに必須となる地球規模の諸課題や、地域課題を解決する力を育む「地理総合」、主体的な社会参画に必要な力を、人間としての在り方生き方の考察と関わらせながら実践的に育む「公共」、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)に向けた動きも踏まえて、数学と理科の知識や技能を総合的に活用して主体的な探究活動を行う「数理探究」といった新科目の創設を求めている。この日の部会では今回の改訂の鍵である、教科の有機的連携の実現や全体構造の可視化を求める意見などが聞かれた。



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