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記事2015年9月13日 2351号 (1面) 
アクティブ・ラーニング導入検討が進展
ラーニング・コモンズの整備・活用も拡大
文部科学省 大学における教育内容等の改革状況公表
学生の学修状況、成果把握が増加 FDやSD実施は低調

 文部科学省は9月10日、「平成25年度の大学における教育内容等の改革状況」に関する調査結果を公表した。この調査は全国の国公私立大学771校(短期大学、平成25年度募集停止大学を除く)を対象に、昨年12月から今年2月にかけて調査したもので、回答率は99%。




 調査結果によると大半の調査項目で実施率が上昇するなど、大学で教育内容の改革が進んでいることが分かったが、その中でも特に進展が見られた事項を見ると―。

 ▽アクティブ・ラーニングを効果的にカリキュラムに組み込むための検討を行っている大学が、24年度調査の407大学(実施率55%、以下同様)から454大学(62%)に増加。

 ▽大学全体で定める人材養成目的や学位授与方針等とカリキュラムとの整合性を考慮している大学数が24年度調査の478大学(64%)↓545大学(74%)に上昇。

 ▽個人やグループワーク等に適した学習環境、ラーニング・コモンズの整備・活用を行っている大学は、24年度調査の321大学(42%)↓389大学(51%)に増加。

 ▽学生の学修時間や学修行動を把握している大学は、24年度調査の299大学(40%)↓441大学(60%)に進展。

 ▽課程を通じた学生の学修成果の把握を行っている大学は24年度調査の265大学(36%)↓345大学(47%)に増えていた。

 そうした一方で、同省では課題もあると指摘しており、▼大学教育の質的転換に関しては、学位授与、教育課程編成・実施、入学者受け入れの三つのポリシーについては100%近くの大学が定めているものの、大学全体で定める人材養成目的や学位授与方針等とカリキュラムの整合性を考慮する大学は増えてきたとは言え、74%で依然として課題があると指摘。

 また▼教員の職能開発(FD)への参加率は依然として低調(教員全員が参加した大学は13%、4分の3以上の教員が参加した大学は37%)。

 さらに、▼大学経営の感覚を身に付けた教職員育成を目的とした、質的向上のための組織的取り組み(SD)を実施する大学は31%、戦略的企画能力向上を目的としたSDを実施する大学は23%だとしている。このほか、開かれた大学づくりに関しては、長期履修学生制度や入学時期の弾力化、科目等履修生制度、履修証明プログラムを実施している大学の比率は24年度調査と比べほとんど増加していなかった。
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