こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2015年5月3日号二ュース >> VIEW

記事2015年5月3日 2340号 (2面) 
初任者の研修の取り組みなど 3組5人から実情等聴取
教員養成部会

 中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(部会長=小原芳明・玉川大学長)は、4月28日、文部科学省内で第81回会合を開き、これからの学校教育を担う教員の在り方について、3組5人の教育委員会・公立学校関係者から新任教員の育成の取り組みや、初任者研修等について意見を聴取した。この日、意見等を述べたのは、@同部会委員の岸田正幸・和歌山県立桐蔭中学校高校長、A和田明俊・山口県教育庁義務教育課主査、山崎伸介・山口県萩市立萩東中学校長、B松田賢治・北海道教育庁学校教育局義務教育課教職員研修グループ主幹、宇野弘恵・北海道旭川市立啓明小学校教諭。このうち岸田校長は和歌山大学と教育委員会との連携により、初任者研修の質的改善のためのモデル事業等を説明したが、初任研については生涯にわたる職能成長の基盤としての学び続ける資質の育成が重要で、「省察的気付き」を学びの中心に置く重要性を指摘、初任研では教職大学院教員の参画や、実施期間の延長、完全副担任制の導入等の必要性を力説した。また山口県からは、萩東中学校における学校を開く、組織を開く、授業を開くなどコミュニティ・スクールの仕組みを活かした人材育成の取り組みが報告された。同県の特徴は学校運営協議会委員も含め教科を超えて授業研究・授業改善を通した人材育成を行うユニット型研修で、様々な立場、経験の教員等が教員としての使命感や高度な知識・技能、総合的な人間力を育成する。育成期間は約3年で、学校全体の活性化にもつながっている。

 北海道からは、指導力のある教員が初任者をマンツーマンで一年間指導するジョブシャドーイング(初任者は指導教員とTTを組み、学級担任や単独授業は持たない)の取り組みを報告した。指導教員と初任者が内省することで疑問点や不明点等がすぐに解消できる、学校力の向上にもつながるといった効果が報告されたが、教員養成部会委員からはコスト増をどうするか、ある種の権力性が伴うのではないかとの指摘があった。



記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞